俺と彼女の一日の始まり。
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しながら煽ってくる。付き合うようになってから、圭香さんはこういう話題を明け透けにするようになった。それまではお嬢様としての教育のお陰か、そんな話は一切してこなかった。
『恥じらいのあった清楚な時代の圭香さんは何処へ……』
あの頃の圭香さん、カムバックと願ってやまない。
「よし、食べよう!いっただっきま〜す!」
「はい、いただきます」
2人で席に着き、手を合わせる。圭香さんはトーストにバターをたっぷり塗り、そこにサラダを乗せる。
「京ちゃん、マヨとって」
「はいはい」
そこにマヨネーズをこれまたたっぷりかける。更にハムエッグを乗せ、塩コショウを振ったら更にその上からトーストで挟み込む。
「でっきた〜!あ〜……んー!美味しい!やっぱ私って天才かも!?有り物でこんな美味しいサンドが作れるなんて」
「ほっぺにマヨと黄身が付いてるよ」
「おっと」
そう言いながら圭香さんはパジャマの袖で頬を擦ろうとする。が、俺はそれを間一髪阻止。
「いや、パジャマの袖で拭わないで。子供じゃないんだから」
そう言って俺はティッシュで彼女の顔を拭ってやる。
「む〜……」
先程まで上機嫌だったはずの彼女が、何故だかジト目で此方を睨んでくる。心なしか顔も膨れっ面だ。
「どしたの圭香さん」
「なんか子供扱いされてる気がする」
「そりゃ、やる事が子供っぽいから……」
「そのくせ私に敬語だよね?私の方が歳下なのに」
「………………」
そんな彼女の指摘に思わず黙り込む俺。そう、俺は31歳、彼女は28歳。彼女の方が3つも歳下だ。それでも俺は彼女を目上の存在として扱い、話しかける時には敬語を使う。これにもちゃんとした訳があるのだが、簡単に説明すると俺なりの『ケジメ』なのだ。
「はぁ、まぁいいや。この話は何度もしてるし、諦めたわ」
「……ごめんね?」
「あやまらないでよ」
「あぁそうだ、今晩のご飯は何がいいかな?リクエストに応えるよ」
「ホント!?じゃあね、豚の角煮!トロットロのプルップルの奴!」
「了解」
そんな会話を交わしつつ、朝食を終える。その後彼女は顔を冷たい水で洗い、寝ぼけた顔と思考を完全に洗い流す。そして化粧をし、スーツを着て、外での彼女へと変身を遂げる。
「はいこれ、お弁当」
「わぁ、毎日ありがとう」
「いいよ。……養って貰ってる身としては、寧ろこれくらいしか出来なくて心苦しい限りだよ」
「またすぐそうやって自分を卑下する〜……先輩の悪い癖ですよ?」
「アハハ……ごめん」
「ホラまた謝る」
「ごめ……おっと」
思わず謝りそうになったところで、彼
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