始まりから夏休みまで
復讐の炎と旭の輝きの話
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ません!」
飛び上がり、空中で身体を一回転させるとへシアンめがけ踵を振り下ろす。
全体重と回転の勢いを乗せた渾身の踵落とし。
燃えながらもへシアンは手に持っていた首狩り鎌をクロスさせて受け止めるも、それはいともたやすく砕かれた。
さらにロボの周囲にいくつもの魔法陣が出現。
そこから鎖が伸び、ロボの巨躯を拘束した。
もがくも、頑丈な鎖は壊れる気配はない。
巴御前は着地し、薙刀をかまえてロボを警戒している。
さらに
「キミも大人しくしてもらおうか!」
「なっ…!?」
ロボに視線が集まっているのをいい事に、桐生が包丁を持って何かをしでかそうとしていたがロボと同じように鎖に巻かれ、身動きを封じられる。
「クソ!どうして…どうしてだ!!最強のはずなのに!!」
「お前のへシアン・ロボが最強なら、巴御前や北斎はどうなるんだよ。」
桐生は鎖から逃れようとするも、ロボでもびくともしないのだから当然並の人間の力ではどうにもならない。
ただ無様にもがき、悪態をつくだけだ。
「へぇ…火を消して欲しいってのかい?」
おさまったものの、まだ所々に火が残るロボにお栄ちゃんがゆっくりと歩み寄る。
僕も…このままじゃいられない…!
「う、うぅ…っ!」
出血の止まらない腕の痛みにこらえ、僕はよたよたと立ち上がる。
「マイ!」
「お栄ちゃん…僕のことはいい…宝具だ!宝具でトドメを!!」
左手に刻まれた令呪をかざして叫ぶ。
一気にケリをつけよう。
「ウゥゥ!!!!」
「…マイがお望みならそうさせてもらおうかい。さぁさ絶景を御覧じろ!!」
大筆をくるりと回し、両手でしっかりとかまえたお栄ちゃん。
大狼はうなり、お栄ちゃんは唱え出す。
「オン・ソチリシュタ・ソワカ、オン・マカシリエイ・ヂリベイ・ソワカ…。」
空気が変わる。
お栄ちゃんの周囲に僅かながら波のようなものが見えた気がした。
「…万象を見通す玄帝、北辰より八荒擁護せし尊星の王よ!」
駆け、ロボに向かって思い切り大筆を振り上げる。
巻き起こる大波。ロボをさらう画狂の一筆。
「渾身の一筆を納め奉る!!いざいざご賢覧あれ!」
描く。
多くの人々、時には海を越え、時には国すら超えて魅了した葛飾北斎の代表作を宝具へと昇華させたもの。
それこそ
「『冨嶽三十六景』!!!神奈川沖浪裏すさびッ!!」
富嶽三十六景。
葛飾北斎が描いた風景画の一つ。
次々と描かれた大波はロボをマスターである桐生ごと飲み込み、炎すら簡単に消して見せた。
「ぐ…っ、ぐうぅ…!!」
ロボと共にビルの隅に流された桐生。
痛むからだに顔をしかめ、起き上がろうとするがあ
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