始まりから夏休みまで
復讐の炎と旭の輝きの話
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音。
ぐちゃりという肉の潰れた音。
そして一気にやってくる、さっき以上の痛み。
「あ…が…っ!!」
かすれた声しか出ない。
気絶しそうになるも、痛みが僕を叩き起す。
「マイ!!」
「うーん。これじゃ右腕は使い物にならないだろうね。さーて、次は左腕っと。」
「もうやめろ!!」
お栄ちゃんの悲痛な叫び。
いいんだ。
僕に構わないで、
早く…桐生とロボを…!
「これ以上マイを痛めつけるな!!マイが罪を償う必要なんざどこにもねぇ!!」
「へー、だったら誰が償うの?」
「…おれだ。」
待ってました。
そう言わんばかりに桐生の顔がパァっと笑顔になる。
「いいねいいねぇ!そうだよ!ようやくわかった!?んじゃあまずは裸で土下座して、それから僕の彼女になってもらおうかなぁ!!」
「…。」
「ほら、武器を捨てろよ。キモヤシ殺すぞ。」
歯を食いしばり、お栄ちゃんは怒りをおさえる。
ここで感情を表に出してはいけない。
僕を守るためにお栄ちゃんは…こうして…。
「分かった…。」
放り投げられる大筆。
カラカラと音を立てて落下し、それは虚しく廃ビル内に反響した。
「ほら、脱げよ。さっさとしないとキモヤシが」
「分かってる…。」
帯に手をかけるお栄ちゃん。
その時だ。
「うおおおおおおーッ!!!!」
雄叫びを上げ、廃材から取ってきたであろう鉄パイプを振り上げて暮馬くんが桐生に突撃してきたのだ。
「邪魔。」
「ぐっ!?」
しかしそれはロボによって阻まれる。
彼はそのまま吹き飛び、廃材置き場に派手にダイブした。
「まだだ…!!」
でも彼はやめない。
また鉄パイプを拾い直し、桐生めがけ走る。
「葛城!!今のうちに逃げろォ!」
鉄パイプを振り回し、また桐生に挑むがロボに再び吹き飛ばされる。
まさか…自分が時間稼ぎをするから逃げろと言いたいのだろうか…?
「まだだ…諦められるかよ!!」
彼だって足を怪我してるはずだ。
なのに何故そうやって立ち上がり、桐生に挑もうとするんだ。
やめろ、やめてくれ。
僕のためにそこまでしなくていい。
お栄ちゃんもだ。
あいつの言うことなんか聞かなくていい。
やめてくれ…!!
「葛城や友作が体張ってんだ…!俺だけ楽して逃げるなんて…出来るかよぉ!!!」
何度ぶっ飛ばされようが、暮馬くんは謎のガッツを見せて立ち上がる。
「それに…言ってくれたしな。友達になろうって…!」
「何?」
ふらふらになりながらも、彼はまだ桐生に向かう。
「友達ってのは…!助け合うもんだろ…!!」
「…くっさ。」
それだけ言い、桐生はロボに命令を下す。
「予定変更。おい
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