始まりから夏休みまで
復讐の炎と旭の輝きの話
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「終いサ。寝てろッ!!」
落下の勢いと全体重を乗せた一撃がロボの頭部を襲う。
先程揺さぶられた脳はさらに強い力の衝撃を受け揺らぐ。
強引に地面に伏せられたロボはそのまま、意識を失ったのだった。
「ふぅ…大した事なかったナ。」
「嘘…だろ。」
相手は無傷。
ロボは戦闘不能。
有り得ない光景を目の当たりにし桐生はかたまった。
「そんな…そいつは…そいつは最強なんだぞ!」
「最強だァ?んじゃあそんなモン倒しちまったおれァなんだい?」
「う、うそだ!インチキだ!!ズルをしたんだろう!!」
「してないよ。」
負けたことを受け入れられない桐生に、現実ぶつける。
「キミのロボは負けた。お栄ちゃんが勝った。それだけだよ…。」
「うるさい!うるさいうるさいうるさいぃ!キモヤシごときが俺に説教垂れるな!!何様だお前!」
「おれのますたあ様だ。」
下駄の音を立て、お栄ちゃんは桐生に歩み寄る。
後ずさる彼、恐らくあの時の光景がフラッシュバックしているんだろう。
「なんだよ…また…また俺をボコボコにすんのか…えぇ?」
「ああ、する。最初に言ったろ。おもてに出られねぇようなカオにしてやるって。」
「…!!」
彼の中の恐怖が弾けた。
「ひいいぃぃっ!!!」
今までで聞いたこともないような情けない悲鳴を上げ、走る。
しかしお栄ちゃんとすれ違いざま、足を引っ掛けられ逃亡は無事に失敗した。
「ぐぶぅ…ぐっ…うぅ…!!」
「諦めナ。どうあれてめぇはここでおしまいだ。」
「…こんな…ところで…!!」
かつてのイジメのターゲットに無様な姿を見られ、彼は思わず涙を流す。
これで事件も終わりか、
そう、思った時だ。
「まだ…まだだ…。」
「…!」
彼は、諦めていない。
「折角神父にこの力をもらったんだ…!!」
「しんぷ…?」
彼は今…なんて言った?
いやそれよりも…何か嫌な予感がする!!
「お栄ちゃん!!」
「負けて…たまるかぁぁぁぁぁーーーーッ!!!!」
寒気に似た何かを感じ、お栄ちゃんに今すぐその場から逃げるよう伝えようとする。
しかし遅かった。
「ホクサイ!後ろだ!!」
「なっ…!?」
見れば昏倒していたロボの姿は既になく、
彼は再び透明化し、お栄ちゃんの後ろに忍び寄っていた。
「ぐっ!」
咄嗟に大筆で防いだものの、へシアンの一撃でお栄ちゃんは吹っ飛び、コンクリートの壁に叩きつけられた。
「ってぇ…!」
サーヴァントでもそれは痛い。
背中の痛みに顔をしかめ、目の前の敵を確認する。
けど、
「…あいつ!!」
お栄ちゃんにとってロボよりも、今は僕のことが心配だった。
「マイ!
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