始まりから夏休みまで
復讐の炎と旭の輝きの話
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「暮馬くん、隠れてて!後は僕達がやる!!」
「あ、ああ!頼んだ!」
未だ血の滴る足を引きずり、彼は隅の方へと向かう。
さて、問題はへシアン・ロボだ。
「なぁに心配そうな顔してんだい?」
「…!」
勝てるかどうか、そう思ってるのを見透かしたようにお栄ちゃんが振り向いた。
「心配ご無用。何せおれァマイのお栄ちゃんだ。そんじょそこらの犬っころにゃ負けねぇヨ。」
「う、うん…そうだよね。」
そうだ、
こっちが心配なままじゃお栄ちゃんも気になってしまう。
ここは僕も自信を持っていかなきゃ。
「じゃあ行こう…フォーリナー!あのアヴェンジャーを止めるんだ!!」
「おう!任せナ!!」
大筆を振るい、彼女は駆ける。
対するロボも駆け、背中に乗るへシアンに攻撃指示を出した。
「ウゥゥ…ッ!!」
ロボがうなり、へシアンが攻撃を開始する。
マントから伸びたいくつもの刃のような触手めいたもの。
それらは動き出し、お栄ちゃんに襲いかかる。
「それが…なんだってんだ!」
跳び、空中で身をひねって回避不可能な攻撃を避けていく。
「…!!」
着地しても走り、跳び、ロボの猛攻を簡単にかわしていくお栄ちゃん。
ついにはロボも動き出し、その爪と牙で殺しにかかってきた。
「ウゥ!!」
「ハッ!身体が軽いねェ!マイに任されたと思うと、余計に自信がついてくるよ!」
へシアン、そしてロボの攻撃は容易くかわされる。
攻撃はかわされれば当然隙は生まれるわけで
「そらっ!」
「!!」
ロボの顔面に大筆の一撃を叩き込む。
さらに
「それも邪魔だ。」
両手にはいくつもの小筆。
投げられたそれは虹色の軌跡を描き、へシアンのマントをロボの身体に縫い付けた。
「グゥッ!!」
突然の複数の痛みにロボは思わず仰け反る。
へシアンはマントを使用不能にされ、思うように動くことが出来ない。
その手に持った首狩り鎌も、固定されたマントが邪魔をしてうまく振るえないのだ。
「弱い。新宿で戦った時とはまるで別モンだァ。」
恐らくゲームでのことだろう。
確かに、この戦いは互角かと思ってはいたが徐々にお栄ちゃんが追い上げ、今では完全に有利となっている。
「それに、遅い!」
噛み付こうとしてきたロボに下からの大筆による豪快なアッパーカット。
軌跡は波を描き、ロボにクリーンヒットした。
「…!!」
頭部を揺さぶられ、さすがのサーヴァントでもこれには答えたらしい。
だが向こうの闘志は消えない。
頭をブンブン振って気を取り直し、またお栄ちゃんに牙を剥く。
「…。」
しかしその牙が獲物を捕えることはついになく、お栄ちゃんは上へと跳んだ。
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