第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(2)
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ごき抜いてやるぞい!」
1センチメートルという至近距離で、グレート・ザ・屍豪鬼はキン肉マンルージュを睨みつけた。そのあまりの迫力のせいで、リング上に突風が吹き抜ける。
「ひっ」
風にツインテールをなびかせながら、キン肉マンルージュは小さな悲鳴を上げた。目は涙目になっている。
「シゴシゴシゴッ! 儂の邪悪なオーラに恐れをなしたか!」
そしてグレート・ザ・屍豪鬼は、歪んだ笑みを浮かべる。
「まぁあた、漏らしよったか? ションベンを! おいおい嬢ちゃんよお、これ以上神聖なリングを汚さんでくれんかのお? おっと、むしろ浄化しとるのか? 聖水でのお! シゴシゴシゴッ!」
皮肉と嫌味の詰まった、悪意の塊のようなグレート・ザ・屍豪鬼の言葉が、キン肉マンルージュを襲う。しかしキン肉マンルージュは首を振って、目に溜まった涙を払い飛ばし、強い眼差しでグレート・ザ・屍豪鬼を睨みつける。
「おしっこを漏らすのは、あんたの方よ!」
“ずごぉん”
鈍い肉音が周囲に響く。心なしか、チンという金属音が混じっていたような気がする。
「ぐっ! ぐおわおぉぉぉッ!」
グレート・ザ・屍豪鬼はその場で飛び上がり、股間を両手で押さえている。そして悶絶しながら、ドタバタとリング上を転げまわる。
「48の殺人技のひとつ、マッスル会心のキン的!」
キン肉マンルージュは膝蹴りのポーズをとったまま、真剣な顔をグレート・ザ・屍豪鬼に向けている。そして静かに息を吐き、言った。
「へのつっぱりはご遠慮願いマッスル」
グレート・ザ・屍豪鬼は涙目になりながら、キン肉マンルージュを睨みつける。
「こんのションベンガキ超人めが! ふざけた真似しくさりおって!」
「わたし、ションベンガキ超人なんかじゃないもん! このセクハラパワハラおやじ超人!」
キン肉マンルージュも、負けじとグレート・ザ・屍豪鬼を睨みつける。
「シゴシゴシゴッ! 笑わせるわい、ションベンガキ超人めが! どうせまた、漏らしちまったんじゃろう? ションベンを! さっきからションベン臭いんじゃい、貴様は!」
「あんたこそマッスル会心のキン的で、ちびったんじゃないの? あんたなんて、尿臭にプラスして、加齢臭までするもんね!」
ふたりは睨みあいながら、火花を散らす。
『本当は少しだけ、ちびちゃったんだよね、じゅんって……』
心の中でそっと呟くキン肉マンルージュ。
『本当は2、3滴ちょろろんと出ちまったんじゃがのお、小便……』
心の中でそっと呟くグレート・ザ・屍豪鬼。
ふたりは自分の股間をちらっと見て、そして再び睨みあう。
「本当は漏らしちまったんじゃろうが! だったらしょうがない、特別に儂のパンツ
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