第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(2)
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める。
「私も、赤ちゃんのときにキン肉王家に拾われた身なのですぅ。なんだか凛香様とは、とても深い縁というか、強い運命を感じますですぅ!」
ミーノは、がっしりと、キン肉マンルージュの手を握った。
「そうだよね。わたしもミーノちゃんのこと、他人とは思えないもん!」
ふたりは手を握り合いながら、きゃっきゃとその場で飛び跳ねる。
“間もなく、キン肉マンルージュ選手の入場ですッ! 登場口にご注目をッ!”
外から入場を促すアナウンスが聞こえてきた。
いつの間にか、選手入場の時間になっていた。
キン肉マンルージュとミーノは顔を見合わせながら、青ざめていく。
「試合の対策、たてられなかったですぅ!」
「ただ自己紹介しただけで終わっちゃったよぉ!」
キン肉マンルージュとミーノは頭を抱えて、床上で身悶える。
「わたし、どうしたらいいの? 何をどうすればいいのか、さっぱりわかんないよ?! このままじゃ、本当に殺されちゃうよ!」
「ああああああ、ごめんなさいですぅ! ごぉめんなさいですぅ! 何のアドバイスもできませんでしたですぅ!」
床上で転げまわるキン肉マンルージュとミーノに、マリは言葉を掛ける。
「凛香ちゃん、ミーノちゃん、このまま選手入場なさい」
キン肉マンルージュとミーノはエッと驚いて、マリに注目する。
「大丈夫だから、思いっきり戦いなさい、凛香ちゃん」
そう言ってマリは、ミーノの手を掴み、出入り口の扉に向かう。
「先にミーノちゃんと行って、待っているわ」
マリに手を引かれているミーノは焦って、キン肉マンルージュの方を振り返る。
「ええ? えええええ?! そんな、アドバイスも対策も、何もしていないのですぅ! それなのに、グレート・ザ・屍豪鬼に勝てるわけがないのですぅ! こんな状態でリングの上に立つなんて、無謀ですぅ! 自殺行為ですぅ! これでは、キン肉マンルージュ様を見殺しにするのと同じなのですぅ!」
マリを止めるべく、ミーノは立ち止った。しかしマリは、強い眼差しをミーノに向けた。
「大丈夫だから、凛香ちゃんを信じてあげて」
ミーノはマリの目を見て、根拠の無い納得を得る。なぜだかマリを見ていると、本気で大丈夫なような気がしてくる。
ミーノは不安げな顔をしながらも、黙ってマリと一緒に扉に向かう。
「……マリお母さんが言うんだもん、絶対に大丈夫だよ」
ミーノの耳に、キン肉マンルージュの呟きが届いた。ミーノはふとキン肉マンルージュの方に顔を向ける。そこには、気力と気合に満ち溢れた、堂々としたファイターの顔をしたキン肉マンルージュがいた。
「行きますよ、ミーノちゃん」
マリは振り返ることなく、
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