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美少女超人キン肉マンルージュ
第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(2)
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なく、引きさがりましたですねえ、中野さん」

 アナウンサーが中野さんに意見を求めと、中野さんは不自然に髪をかき上げながら、解説を始める。

「ベテランであり、一流の超人である、グレート・ザ・屍豪鬼選手だからこその判断なのでしょうねえ。ましてやd.M.pのメイキング超人であったことを考えますと、数え切れないほどの超人を目の当たりにし、分析をしてきたと思われますよ。そして、精度の高い分析能力を身につけたのでしょう。そうやって培われた分析能力をフルに働かせて、自己分析を行った結果、グレート・ザ・屍豪鬼は確実に自分は負けると、そう判断したのでしょう。例えるならば、将棋の詰みの状態ですよ、これは。戦わずして、負けの未来しかないことが、解ってしまったのでしょう」

 グレート・ザ・屍豪鬼は、ちぃっと、舌打ちをする。

「静まれい! こおんの、大うつけどもがあああぁぁぁあああぁぁぁッ!」

 グレート・ザ・屍豪鬼はとてつもない大きな声で、思い切り吠え上げた。あまりの声の大きさに空気が振動し、周囲が震えて見える。
 観客の全員が全員、とっさに耳を塞いだ。しかしそれでも、グレート・ザ・屍豪鬼の声は耳に入ってくる。まるで脳に直接大声を発したかのように、頭の中が声音で揺れている。
 そして観客全員が黙ってしまい、誰一人しゃべる者がいなくなった。そのため、辺りには静寂が漂い、耳の奥で鳴っているキーンという耳鳴りの音だけが聞こえている。

「シゴシゴシゴッ! ようやっと、静かになったわい!」

 グレート・ザ・屍豪鬼はコーナーポストの上から、周囲をぐるぅと見渡している。

「まったく、誰が負けを認めたんじゃい! 勝手なことを抜かすな、愚かな下等生物どもめ! 儂が認めたのは、このションベンガキ超人の強さじゃい! 儂では敵わん、そう言っただけじゃわい!」

 グレート・ザ・屍豪鬼の言葉を聞いて、ミーノは首を傾げた。

「“儂では敵わん”と言ってしまわれたら、私には勝ち目はありません、と言っているようにしか聞こえませんですぅ。なのに、なんであんなに自信満々なのですぅ? グレート・ザ・屍豪鬼は」

 考え込むミーノの肩に、マリは、ぽんと手を置いた。

「言葉の通りに考えると、“儂では敵わん”というのは、“儂以外の者なら勝てる”と言っているようにもとれるわ……それにあの自信……グレート・ザ・屍豪鬼、何かとてつもない隠し玉を持っているのかもしれないわね」

 グレート・ザ・屍豪鬼は目だけを動かして、マリとミーノを見つめる。

「さすがは二階堂マリ、それとミートの義妹じゃのお。鋭い読みじゃあ。観客やら実況やらのぼんくらどもとは、ひと味もふた味も違うのお」

 そしてグレート・ザ・屍豪鬼は大きな口を開け、その口の中に手を入れ込んだ。そ
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