第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(2)
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私は、毎日、毎日、数え切れないほどの失敗をし続けて……それで、失敗の数と同じだけ、土下座をしてきたのですぅ……そうしたら、使用人のチーフから、土下座だけならキン肉星いちだな、って言われましたですぅ……」
他人事とは思えない――キン肉マンルージュは、ひどく切ない気持ちにさせられた。
頭を下げ続けているミーノは、話しを続ける。
「まさか……まさか、あなたのような年頃乙女様が適合者様だなんて、本当の本当に、思わなかったのですぅ」
頭を下げているので、ミーノの顔を確認することはできない。しかし、ぐすん、ぐずり、と湿った鼻音が混じった、悲哀に満ちた声が、キン肉マンルージュの耳に届く。
「たくさん、たくさん……探したのですぅ……色々な星を……たくさんの星を巡って……ひとりで……たくさん、たくさん……探し回ったのですぅ……」
「ミーノちゃん……」
泣きながら語るミーノを、キン肉マンルージュは胸を痛めながら見つめる。
「探して、探して……探しに探して……探し尽くして……それで、やっとの思いで見つけたのは……まさかまさかの、年頃乙女様!」
「ミ、ミーノちゃん?」
悲痛な声で語っていたミーノは、今までの苦労を話しているうちに、だんだんと怒りが溜まっていった。声にもだんだんと、怒りが混じっていく。
「マッスルジュエルはシークレット中のトップシークレットですぅ! とってもとぉっても、重要で、重大で、大事な、正義超人界の至宝ですぅ!」
ミーノの目がすわっている。キン肉マンルージュはひきつった苦笑いを浮かべながら、身体をこわばらせる。
「だから当然、適合者様は屈強で、慈愛に満ちた、心身ともに洗練された至高の超人! 超人の中の超人! ベストオブ超人! 超人ナンバーワーン! ……だと、思っていたのですぅ!」
気持ちが高ぶったミーノは、興奮しきっている。
「なのに! なのになのに! あなたのような年頃乙女な、ただの人間?! ありえません! 信じられません! オー、マイ、へのつっぱり! ですぅ!」
“ばああぁぁん”
気持ちが高ぶりきったミーノは、怒りまかせにテーブルを叩きつけた。
「ひゃんッ」
キン肉マンルージュは、びくんと身を震わせる。
「こここ、言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい、ごめんなさいッスル!」
そしてキン肉マンルージュは、ミーノに負けないほどに美麗な、見事すぎる土下座を披露した。
「ごめんなさい! ごめんなさぁい! ごめんなさいいいぃぃぃいいい!」
キン肉マンルージュは額をテーブルに擦り付けながら、必死になって謝り続けた。その姿は、まさに職人。土下座職人である。並々ならぬ修練によって身につけたものであることが、ひしひしと伝
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