第百十四話 人取橋の戦いその六
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「お供します」
「来てくれるか」
「はい、時宗丸様も小次郎様も自ら戦っておられます」
武器を手にしてというのだ。
「そして殿もです、ならば」
「お主もか」
「そうします、では」
「行くか」
「そうしましょうぞ」
こう言ってそうしてだった。
政宗は片倉を連れて自ら本軍を率いて動いた、その時成実は鉄砲騎馬隊を率いて敵軍を激しく攻めていた。
まずは鉄砲を放たせそうしてだった。
「よいか、次はな」
「はい、刀を抜いてですな」
「敵陣に切り込む」
「そうしますな」
「そして左右の敵を切り伏せよ」
その様にしろというのだ。
「よいな」
「わかり申した」
「それではです」
「その様に攻めます」
「ここは」
兵達も応えた、そしてだった。
彼等は鉄砲の後は成実と共に刀を抜いて敵に切り込み敵を切り伏せていった。その中には成実もいてだった。
多くの敵を切っていた、敵兵達はその彼を見て言った。
「あの老将だけではないのか」
「茂庭殿だけではないのか」
「あの若武者も鬼の様ではないか」
「何という強さじゃ」
「あれは確か」
敵兵達は阿修羅の様に戦う彼を見つつ話した。
「伊達藤五郎殿じゃ」
「伊達のご当主殿の身内のか」
「一門きっての猛将か」
「あの御仁か」
「噂に聞いていたがあれだけ強いのか」
「まさに鬼神じゃ」
「采配もよいが」
それだけでなくというのだ。
「武芸もかなりではないか」
「恐ろしい御仁じゃ」
「あの御仁も攻めよ」
「そして討ち取るのじゃ」
「さもなければ我等に勝ちはないぞ」
「早く何とかするのじゃ」
敵の者達は成実の強さを見て彼もと言い出した、だがここで。
政宗は足軽達に鉄砲を撃たせて長槍を持って突っ込ませた、そして自身も刀で敵兵達を薙ぎ倒しつつ言った。
「伊達藤次郎見参!わしの首取れるものなら取ってみよ!」
「なっ、当主殿自らだと!」
「自ら切り込んできたと!」
「何と無謀な!」
「この様な戦聞いたことがないぞ!」
総大将自ら刀を手に切り込むなぞというのだ。
「恐ろしい戦じゃ」
「この様な戦をするか」
「これが伊達家の戦か」
「とんでもない戦をするぞ」
「片倉小十郎参る!」
続いて片倉もだった、彼は槍を手に戦う。そしてそこに小次郎も入り四人は自ら戦いつつ采配も執って連携しつつ縦横に戦い。
敵を退かせた、政宗は一旦退く彼等を見て片倉に話した。
「これでまずはじゃ」
「よしですな」
「敵を退けてな」
「茂庭殿をお救いしましたな」
「うむ、敵が爺の先陣を全力で攻めてじゃ」
そうしてというのだ。
「囲んだところでな」
「囲んだ敵の後ろや横を一気に攻める」
「そうすればじゃ」
まさにというのだ。
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