―光からの洗礼―
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バースカードで伏せてあった《聖なるバリア−ミラーフォース》を選択した……筈だった。
「《白のヴェール》の効果! 装備モンスターが攻撃する場合、相手フィールド上に存在する魔法・罠カードはダメージステップ終了時まで全て効果が無効化される!」
よって、明日香の発動した《聖なるバリア−ミラーフォース》と、フルール・ド・シュヴァリエに装備してあった《団結の力》も全て無効にすることになる……!
「そして、ライトエンド・ドラゴンの効果! このモンスターの攻撃力を500下げることで、相手モンスターの攻撃力を1500ポイント下げる! ライト・イクスパンション!」
それにより、ライトエンド・ドラゴンの攻撃力も2100にまで落ち込むものの……《団結の力》が無効にされたフルール・ド・シュヴァリエは、それよりも下がって1200。
「きゃあああっ!」
明日香LP800→0
ライトエンド・ドラゴンの光弾の一撃を喰らい、明日香のライフポイントは0となり……それと同時に、明日香が膝から崩れ落ちた。
「明日香ッ!」
デュエル場の明日香に急いで駆け寄ろうとしたその時、俺の肩をつかんで制止した人物がいた。
俺の背後にいた人物……それはつまり、三沢大地だ。
「離せ三沢ッ! 明日香が膝から崩れ落ちたんだぞ!」
俺の怒声にも臆せず、三沢は厳しい顔でデュエル場の明日香と万丈目の様子をうかがっていた。
「フハハハハハッ! 天上院くん。これで君も、我が光の結社の一員となるのだ!」
「――ええ、もちろんよ」
万丈目の騒がしい問いかけに対する明日香の答えは……まさかの、YES。
確かにデュエル前にそんな約束はしたが、明日香の様子は「ただ制服の色を変えるだけ」などと言っていた時とはまるで違う。
「光って素晴らしいわ……何故今まで気づかなかったのかしら」
「明日、香……?」
とにかく状況に頭がついていかず……いや、理性では分かっていたが、認めたくなくて……明日香に詰め寄ろうとした。
だがそれを、三沢が強引に引っ張って、俺は明日香から遠ざかっていく。
「だから離せ三沢……! 俺は、明日香を助けに……!」
「君とて分かっているだろう、今の明日香くんたちの様子は普通じゃない! ……悔しいが、明日香くんに気を取られているうちに逃げるんだ……!」
三沢は正論しか言っていない……だが、言っている本人の表情も苦悶の表情であり、三沢も明日香を見捨てて逃げることに感情では反対していることが分かる。
「くそッ……明日香! 絶対、絶対助けにきてやるからなッ――!」
そのまま俺と三沢はデュエル場を抜け、オベリスク・ブルー寮から出ていって脱出した……
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