第二章
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「元気よ」
「それはいいわね、じゃあちょっとあんたのお部屋に行って」
梓は咲子に微笑んで言った。
「この子見ていい?」
「実際になのね」
「そうしていい?」
「いいわよ」
咲子は梓に笑顔で答えた。
「それじゃあね」
「ええ、じゃあね」
「今日来る?」
「そうね、あんたのお部屋大学のすぐ傍だし」
今日はアルバイトだがその前に行こうと思って咲子に答えた。
「それじゃあね」
「寄っていってね」
「見せてもらうわ」
梓は笑顔で答えて実際にこの日講義が終わると咲子の部屋に入った、するとそこには。
「ニャ〜〜〜」
「この子ね」
「そうよ」
両手で抱いてようやく顔が出るかどうかという位の大きさの黒猫。画像にいたその猫がいた。咲子は梓にその猫を見せて話した。
「雌でね、名前はマリってしたの」
「マリ?」
「何か最初黒い毬に見えたから」
それでというのだ。
「この名前にしたの」
「そうなのね」
「そう、それでね」
咲子はマリを両手の平の上に置いたうえで梓に話した、見ればその上にちょこんと座って実に可愛らしい。
「今はおトイレも教えてね、猫のこと色々勉強して」
「やっていってるね」
「そうなの、まだ子猫だから」
それでというのだ。
「一からね」
「教えていってるのね」
「本を読んでネットで検索して」
その様にしてというのだ。
「そうしてるわ」
「そうなのね、頑張ってるのね」
「そのつもりよ」
「じゃあそのままね」
「頑張ってくわ」
こう言ってだった。
咲子はアルバイトの時間だからと部屋を後にする梓を送った、梓はそれからも咲子のスマートフォンの画像や彼女の部屋でマリを見せてもらった、すると。
マリはすくすくと大きくなった、もの覚えがよくてトイレも爪とぎも他のこともすぐに覚えていった。その中で。
咲子はマリのことをよく話す様になっていった、そうしているうちにマリは成人したがここでだった。
梓はその成人したマリを咲子の部屋で見てこう言った。
「何かね」
「どうしたの?」
「いや、マリ大きくなったわね」
こう咲子に言った。
「本当に。最初は両手に入る位に小さかったのに」
「成長したわね」
「成長っていうか」
そのマリを見たままさらに言った。
「巨大化してない?」
「巨大化って」
「今この子体重どれ位?」
「五キロよ」
「もう五キロになったの」
「成人したからね」
「いや、成人しても」
それでもというのだ。
「また大きくなり過ぎでしょ」
「そうかしら」
「あんなに小さかったのにもう五キロって、それに」
マリを見たまま言葉を続けた。
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