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巨大化する子猫
第一章

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               巨大化する子猫
 雪乃梓は大学の友人である岡咲子が自分のスマートフォンで何かを熱心に見ているのを見て彼女に問うた。黒髪のところどころを茶色にしていて縮れさせたうえでポニーテールにしている、目ははっきりとしていて睫毛は長い。眉は細長く唇は赤で艶っぽく一五八程の背で黒のニットのセーターと青のジーンズからメリハリの効いたスタイルが浮き出ている。
「何見てるの?」
「実はね」
 咲子は梓に顔を向けて答えた、茶色の髪の毛を肩の長さで切り揃えていて奇麗な切れ長の目を持っている、顔立ちは穏やかで背は一六四程だ。ブラウスとロングスカートの服装が清楚な感じでありスタイルの良さが服の上からもわかる。
「猫拾ったの」
「そうなの」
「幸い私のお部屋ペットいいし仕送りもバイト代もあるから」
「猫ちゃん飼えるのね」
「その余裕が充分にあるからね」
 それでというのだ。
「うちで飼ってるの、実家のお父さんとお母さんにも言ったら」 
「いいって言ってくれたの」
「猫の分の仕送りもしてくれるってね」
 その様にというのだ。
「言ってくれたわ」
「よかったわね」
「まだ拾って三日目で小さいけれど」
「どんな子なの?」
「こんな子よ」
 こう言ってだった。
 咲子は梓に自分のスマートフォンの画像を見せた、するとそこには小さな黒い毛の金色の目のその猫がいた。
 その猫を見てだった、梓はついつい微笑んで咲子に言った。
「この子がなのね」
「そう、私が拾った子なの」
「この前拾ったのよね」
「うん、十日前にね」
「そうなのね」
「道で段ボールの中にいたのよ」
「捨て猫だったのかしら」
 梓はその話を聞いてこう言った。
「それじゃあ」
「そうみたい、詳しいことはわからないけれど」
「今でもいるのね、そんなことする人」
 梓は猫というか生きものを捨てるということを悪いことと考えて眉を曇らせて言った。命は等しいのだからと。
「よくないわね」
「犯罪だしね」
「そうそう、生きものを捨てるとね」
「それでも私が拾って」
 咲子は自分のスマートフォンのその画像を見つつ梓に話した。
「今は一緒にいるの」
「病院とかも行ったのね」
「診てもらって深刻な病気はないって言われたわ」
「よかったわね」
「それで今はどんどんミルクを飲んでね」
 そうしてというのだ。
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