忠臣の軌跡
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どこにもない。
首領様は本当に偉大だ。不遇な自分に戦う手段と目指すべき未来を示してくださった。
首領様は無能で愚かな連中を倒し、世界を征服する必要性を説いてくださった。
首領様はその辺にいる単なるリーダーとは違う。
首領様は唯一の至高の存在であり、世界中が崇めるべき存在である。
これはどんな時も、いつ如何なる時も忘れてはいけないこの世の真理である。
かつてはロマノフ二世に忠義を向けていたが、今は違う。本当の主を、主君を見つけた。
だから言おう。世界に告げよう。皇帝に栄光あれ!ではない。改めて本当の主に対する忠誠心を言葉にしよう。
「全ては世界を救う為!全てはより良き世界の為!
我が偉大なる首りょ………」
―――――――――――――――――――――――――――
「………ぐん、将軍、起きてください」
どこか遠くから声がする。
「将軍、大丈夫ですか?」
ゆっくりと目を開けると秘書役の戦闘員が心配そうにこちらの顔を伺っていた。
どうやら自分は眠りに落ち、夢を見ていたらしい。
それも懐かしい夢だった。凶夢のような吉夢だった。
「お身体が優れないのですか?無理もありません、ここのところ数ヶ月ほど徹夜続きでしたからね」
「すまないな……身体の方は大丈夫だ。少し懐かしい夢を見ていただけだ」
ブラック将軍はそう言うと執務に戻り、残りの書類の束との格闘を開始した。
そして夢の中で言うはずだったセリフをもう1度、心の中で叫んだ。
全ては世界を救う為!全てはより良き世界の為!
我が偉大なる首領に栄光あれ!!!
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