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SHOCKER 世界を征服したら
忠臣の軌跡
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数百万の兵士を率いる将軍としてのプライドだ。



それは負けに負け続けたせいで、逃げ続けたせいで、ゴミのような底辺の生活を続けていたせいで、完全に破壊されたと思っていたそれは吾輩の腹の中で復活の時を待っていたのだ。
世界が急に広がり、色づいて見えた。


『我がゲルダム団にはこの歪みきった世界を正す英雄が必要なのだ!ブラックよ、貴様にはそのための英雄になってほしいのだ。私はこれまで貴様が出会ってきた下等な人間共とは違う。貴様を無下に扱ったりはしない。
何度も言うがブラック、貴様は本当に優秀な人間だ。今まで幾度となく祖国をその類まれなる作戦立案能力、指導力を以て救ってきた。我が理想実現のためにその力を貸してはくれないか?』


断る理由はどこにもない。寧ろ、この御方に仕えたい。吾輩はゲルダム団への入団を決意した。そして、その場に跪いて頭を垂れた。


「このブラック……、首領様に永遠(とわ)の忠誠を誓います」
 

『うむ。我がゲルダム団へようこそ、ブラック……いや、ブラック将軍』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

それからは非常に忙しい毎日だった。
主にアフリカ各地で暗躍するための作戦指揮に関わった。時には現地の政府軍と戦闘になったり、予期せぬ独立運動が起きたりもしたが、その度に持ち前の二重三重の作戦立案能力を活かして切り抜けてきた。
やがて吾輩の活躍の場はアフリカに留まらず、ショッカーとの共同作戦でベトナムを始めとしたアジア諸国やヨーロッパ諸国にも及んだ。


既存の怪人に戦力不足を感じ、新怪人『合成怪人』の製造プランを提唱した際には、組織最大の功労者として首領直々に大幹部に推薦され、改造手術を受けた。
ヒルとカメレオンの合体怪人。名前はヒルカメレオンだ。
能力も保護色に吸血及び死者蘇生と、非常に多く、恥ずかしげもなく言うが『合成怪人最強』の称号が相応しい出来である。それとは別に、改造手術による影響からか見た目も最盛期の帝政ロシア将軍期の頃にまで戻った。嬉しい誤算だ。


また、ケニア滞在期に彼の亡命の手助けをしてくれた元貴族の友人も研究先の部族の元で首領様の勧誘を受けたらしい。だが彼はゲルダム団ではなく、ショッカーのメンバーとなった。その後は大幹部となって『キバ男爵』と名乗り、彼が研究中だった部族……キバ一族の長にまで祭り上げられたという。


ショッカーライダー7と戦闘員1010号が本郷猛を倒してからはゲルダム団はショッカーの傘下となったが、異論は無い。ゲルダム団があろうとなかろうと首領……いや、大首領様がトップとして君臨され続けるに変わらない。ましてや、それにショッカーへの下部組織の統合が大首領様の御自らの御意思とあれば反対する理由は
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