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SHOCKER 世界を征服したら
忠臣の軌跡
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ゆらゆらと照らし出し、厳粛なムードを醸し出した。

唯一、キリスト教の教会と違う点があるとすれば、本来、十字架が飾られている壁面に不気味な蛇のレリーフが備え付けられていることだろう。とぐろを巻いている蛇がこちらをジッと睨みつけている。
しばらくぼうっとそれを見つめていると突然、蛇の目が赤く点滅し、声が発せられる。


『よくぞ来た!!ブラックよ!』
 


!!!!!!!!!!



吾輩は反射的にたじろぎ、頭を垂れた。
一方、女や戦闘員達は後ろの方で身動き一つせずきに整列していた。


他を圧するものものしい、巨大な暗黒の畏怖。
それがこの薄暗い室内を瞬く間に支配した。その中でブラックは呑み込まれないようにするので必死だった。かつて忠誠を誓っていた皇帝ニコライ二世の風格もそれはそれは大きなものだった。だがそれすらもこの波動に比べればなんと矮小なことだろうか。
その波動に畏怖していると再び、威厳に満ちた声が響いた。


『ブラックよ、貴様のことは何でも知っているぞ』


「え?」


思わず、心の声が漏れた。突然、目の前の強大な存在が自分のあらゆることを知り尽くしていると暴露したことに驚いたからだ。


『私を疑っているのか?
ブラック、元ロシア帝国陸軍将軍。黒海近くの村で代々、将軍を排出してきた名家に生まれ育つ。それから………』


首領は吾輩の経歴を事細かに語ってみせた。何でも知っているというのは嘘ではないようだ。
でも何故、吾輩のことを知っているのだ?
語ってみせた自身の経歴には虐殺した捕虜の人数や部下一人一人の名前など吾輩自身でも知らないようなことまで含まれていた。


自分が知らないことまで把握している。


常人からすればこれほど不気味なことはないだろう。だが吾輩にはそれが不思議ではあったが何故か悪い気はしなかった。上手く説明できないが、目の前の御仁は何でも分かってくれているという謎の安心感があった。


『ブラック、貴様は本来、もっと優秀な男だ。
何度も亡国の危機に陥った国を救い、立て直してきた才溢れる男だ。貴様が今、不遇な目に会っているのは理不尽に踏みつけられているからだ。それも本来、貴様を無下に扱っていいはずのない無能な屑共にだ』


まるで心が洗われるような感覚。
ツゥと頬を冷たい何かが伝った。目が滲んでよく見えない。
涙か?これは…? 
今まで亡国の民として罵られ、迫害され、差別されてきた自分の心に久方ぶりの称賛の言葉が染み渡る。
この首領なる人物が自分を肯定してくださったことが酷く嬉しかったのだ。


『話は変わるが、どこの国も民衆というのは常に愚かなものだ。貴様の祖国、ロシア帝国でもそうだったろう?いかに指導者が素晴ら
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