SAO編ーアインクラッド編ー
01.現実の終わり
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オブジェクトの光の破片が爆散する。経験値表示とレベルが空中に現れ、レベルの表示が一から二に変わる。
「この感覚……やっぱたまんねぇな」
懐かしの感覚に長身の少年は笑みを浮かべた。目元まで伸ばしきった髪を邪魔にならない位置までかきあげ、
「……よしっ! 次の狩りだ!」
そこから夢中で狩りを進め続ける。気づけば空は紅く染まり、仮想の太陽が地平の彼方へと沈もうとしていた。
「そろそろ、腹も減ったしログアウトするか」
誰に言うでもなくシュウは呟いて大きく伸びをする。過去の記憶を探りながらも手慣れた手つきでメインメニューを開き、オプションからログアウトまでの表示を行う。
「あれ……?」
思わず声が洩れた。
ログアウトするための表示が存在しないのだ。
ベータテスト時とは設定が変えられているのであろうか。
メインメニューにあるボタンを一つ一つ探し、ログアウトボタンを探す。
探すこと数分。すべての表示を開き終えてしまった。だが、メインメニューのオプションのどこにもログアウトのためのボタンは存在しなかった。
製作者サイドのミスだろうか。
メインメニューに存在するGMコールを押す。ゲームマスターへログアウトボタンがないことを知らせなければ、プレイヤーたちはこの世界から抜け出すことができない。
プレイヤーがログアウトするにはメニューのログアウトを操作するか、外部の誰かがナーヴギア本体の電源を切るかしか方法がない。
しかし、コール音が響くだけで出る気配などなかった。
「……どうなってるんだ?」
すると突然として大きな鐘の音が響き渡る。
なにかの時間を知らせるためかと思ったが次の瞬間、身体は強烈な光に包まれる。
身体を包み込んでいた光が消え、視界が晴れた時には先ほどまでの高原のフィールドではなくログインした時に現れた中央広場だった。
すると次々と第一層の中央広場へとプレイヤーたちが光に包まれて出現する。
数えられたわけではないが多分だが、SAOにログインした約一万人のプレイヤー全てが中央広場に集められた。
「……強制テレポート」
どうやら何者かによってすべてのプレイヤーたちがテレポートさせられたらしい。この状況に妙に落ち着いて分析してしまっているシュウは少し異常なのかもしれない。それはβテストという経験を得たというのが一番の支えになっている。
これほどの人数のプレイヤーを強制テレポートさせることができる権限を持つものなどこの世界には一人しか存在しない。
「おい、上!」
誰かの声でその場のプレイヤーたちが指を指した方向。夕焼けで紅く染まった空。それが一瞬にして鮮血へと変化し、何かが溢れ出てくる。
「なんだよ、あれ」
鮮血が徐
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