暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga19-A本局襲撃〜5th wave〜
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術の攻撃を受ければ脳が勝手に実際に受けたと誤認してダメージを受けるそう。しかも幻術だからこちらかの干渉は一切できないという、魔導師どころか魔術師でも勝てない相手・・・。

「あ、あなた達の目的は・・・?」

「わたくしもあなた達の各個撃破作戦に乗せられようかと思いまして。王は、後ろの転送機から保管室へ向かいますわ。狙いは・・・判りますわよね?」

王は素性を少しでも隠すためか一言も喋らず、プリムスが代わりにそんなことを言った。これはまずい。幹部2人を相手にまともな戦闘なんて出来ない以上、応援が必要だわ。そういうわけで、『こちら保管室前通路!』と全体思念通話。

『T.C.のリーダーがプリムスと共に出現! プリムスは各個撃破作戦を受け入れ、リーダーは保管室への進入を目論んでいるわ! 指示を乞う!』

『了解! クララ先輩! リーダーを優先的にわたしとなのはの元へ転送して! シャマル、ザフィーラ! 少しあなた達に危険を強いるけど、少しの間プリムスを引き付けておいて!』

『『了解!』』『了解した!』

思念通話が切れるとほぼ同時、私とザフィーラは「鋼の軛!」とプリムスとリーダーを隔てるように拘束杭の壁を作り出す。クララちゃんが「プリムス! あなたを転送する!」と駆け出した。

「ええ。よしなに」

幻獣を消失させたプリムスは無抵抗を示すように直立不動となった。そんな彼女に駆け寄るクララちゃんの右手が伸ばされる。そして触れるかどうかと言ったところでクララちゃんの姿が消えた。目の前で突如クララちゃんが消えたことでプリムスも「あら?」と目を丸くした。

「先にリーダーを転送させてもらったから」

クララちゃんはプリムスの直前で転移して、リーダーの背後に出現。その奇襲に反応しきれなかったリーダーに触れ、クララちゃんはシャルちゃんとなのはちゃんの元に転送させた。プリムスもそれに気付き、「あらあら」と苦笑い。

「まぁこちらの仕事はほぼ終えていましたし、問題ありませんわ」

プリムスの言葉に「仕事?」と聞き返した私に、彼女は「少しばかり捜査資料を拝見させてもらいましたわ」と素直に答えてくれた。まさか答えてくれるなんて思わなかったから、今度はこちらが目を丸くした。

「罪状に本局データベースへの不正アクセスを追加。なら、どの捜査資料を見たのか答え――」

『緊急事態発生! 緊急事態発生! 第1から第3拘置所にて脱獄が発生! 繰り返します! 第1から第3拘置所にて脱獄が発生! 手の空いている魔導局員は、脱獄囚の確保を願います!』

言い切る前にそんなアナウンスが流れた。“T.C.”の襲撃の最中に複数の拘置所で脱獄。これが偶然とは思えないわ。私たちの視線を受けたプリムスは「陽動ですわね。わたくし達お得意の」と微笑んで
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