暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga19-A本局襲撃〜5th wave〜
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は、「クララちゃん・・・」の方を見て首を小さく縦に振った。ザフィーラの負傷は治せたけど、万全な状態でレオンと戦えるかとなれば無茶、無理と断じるしかない。ザフィーラも理解してくれているようで黙ったまま。クララちゃんも小さく頷いて、「とっととくたばれ」と言い捨てながらレオンに触れ、転移スキルで彼を飛ばした。

「人間じゃない、か・・・。魔力で体が構築されているなんて、まるでルシル君やエグリゴリのような・・・」

「あながち見当外れではないかも知れんぞシャマル。ミミル――いやパイモンか。あの女が健在であれば、新たなエグリゴリを開発できたとしてもおかしくはない」

「でも、レオンを始めとした幹部たちは過去に実在した魔術師なんでしょ? ルシル君も、幹部たちは人格から魔術、神秘などなど何から何まで同一だっていう話だったじゃない。さすがに当時を生きていないパイモンには造れないんじゃない?」

「じゃあクローンとか? あーでもクローンなら人としての肉体があるか〜。クローンを生み出したうえでエグリゴリに改造なんて無駄な工程を踏むわけもないし・・・」

“エグリゴリ”のように魔力で体を構築している。本物と言われてもおかしくないほどに当時のレオン達と同一の幹部たち。クローンの可能性は低い。となれば、信じたくないけどありえないと捨てきれない可能性が出て来たわ。

「作戦も最終段階に入ったとはいえ、レオン陛下のお喋りには困ったものですわ」

「「「っ!」」」

監視室側のドアが大きな音を立てて倒れると、呆れた風に首を小さく横に振るプリムスが姿を現した。ううん、それだけじゃないわ。彼女の後ろにはフードを目深に被って素顔を隠している男性が1人。特騎隊からもたらされているデータには無い人物。幹部たちは素顔を晒しているようだし、アグスティンではないと思う。

「この方が気になります? ではご紹介しますわ。我らT.C.が主――王ですわ。あ、名前は伏せさせてもらいますわね」

「「「っ!!」」」

私の考えをプリムスが察したみたいで、フード男の正体を明かした。まさかここでいきなり“T.C.”のリーダーと遭遇するなんて。ザフィーラは「ならば貴様を捕らえればよいのだな」と言って立ち上がって、リーダーに向かって行こうとした。

「「ザフィーラ!」」

「お止しになった方が宜しいのでは? わたくしと王、2人を相手に勝てるおつもりですか? いえ・・・」

――破滅の猛獣(アタケ・デ・ベスティア)――

「わたくしの幻術も在るので3対多ですわね」

「出たー! 幻獣!」

クララちゃんが叫んだ。リーダーとプリムスの前に現れたのは2つの顔を持つ大きな狼。アレは幻で、実際にそこに居るわけじゃない。けれどプリムスの幻術はあまりにも強大すぎて、幻
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