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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga19-A本局襲撃〜5th wave〜
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思いのほか吹っ飛んだな」
「ザフィーラ!」
壁にもたれかかって座り込んでいるザフィーラの元へ駆け出そうとした私だったけど、「我はともかく、貴様らは殺す気で来んと勝てんぞ?」とレオンが首をコキコキ鳴らした。私はその言葉を背に受けながら「ザフィーラ!」の元へ。意識はあるようで、「シャマル。回復を頼む」と言ったから、私は頷き返して「癒しの風よ!」と治癒魔法を発動した。
「殺す気でって。私たち管理局員は公務員なんだから、人は殺せない。そもそも、いくら相手が凶悪犯でも殺すわけないでしょ? あなたも、大人しく捕まってしっかり罪を償いなよ。それが人ってものでしょうが」
「あぁ、なるほど。そこから認識の齟齬が起きているのか。・・・お前たちは我らの正体についてどういう風に考えているのだ?」
「・・・大昔の魔術師の生まれ変わりでしょ? 前世や先祖の記憶と魔術を受け継いだ現代に生きる人の人格を、過去の記憶であるあなた達が奥底に追いやっている。で、こうして悪さをしている。違う?」
「そういうことになっていたのか。我らを普通の人間として見ているのだな。ふむふむ。ならば・・・」
クララちゃんの話を聞いたレオンは、自分たちが人間じゃないっていう風なことを言い出した。少し考えに耽った後、何を思ったのか全身を覆っていた魔力膜を解除。さらにいきなり壁を殴って大きく破損させた。どんな質量兵器でも魔法でも破損できないほどに強固に作られた壁を、ただの力のみで破壊したことに戦慄する。
「うそでしょ・・・。純粋な腕力のみで破壊した・・・」
その異常にクララちゃんも後ろに下がった。そんなドン引きしている私たちの様子なんて気に留めることもなく、レオンはナイフのように鋭く剥がれた壁の破片の1つを引き千切ると、「まぁ実際に見てみるがいい」と言って、その破片で自分の太い腕を掻き捌いた。
「「っ!!?」」
「見えるだろう? 生物であることを示す赤い血は流れん。溢れるのは、我を形作る魔力だ」
傷口から漏れるのは確かに赤い血じゃなくて魔力。しかも治癒魔法を使っていないにも拘わらず傷口がすぐに閉じた。
「我らは生まれ変わりではない。お前たちも薄々は感付いていたのだろう? 我らの戸籍が無いことに」
レオンは破片をポイッと投げ捨てて薄く笑った。当然そんなことを知らない私は、“T.C.”捜査の専門部隊となっている特騎隊の一員であるクララちゃんを見た。
「確かに。私たちはずぅーーーーっと、あなた達の身元を調べていたけど終ぞ判明しなかった。じゃあ生まれ変わりじゃないとするなら、あなた達の本当の正体が気になるんだけど?」
「そこまで教えてやる義理は無い。さぁ、そろそろ無駄な問答をやめ、我を転送するがよい」
ザフィーラの治癒を終えた私
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