暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga19-A本局襲撃〜5th wave〜
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このようのなつまらん問答は無用。構わんよ、攻撃だろうと捕縛だろうと、他の種類のものであろうと。そのすべてを真っ向から跳ね返すのみ。ではフォード陛下。貴公が先に飛ばされよ」

「はあ!? 高説垂れておいて尻込みですかレオン陛下!?」

「違うわい! 我らの転移とはどこが違うのか見てみたいだけだ」

「・・・、まぁいいや。お前が俺たちを飛ばすんだろ? ならさっさとしろ、のろま」

急かされて少しムッとしているクララちゃんは「ぶっ倒れされてくれば?」とフォードに吐き捨てて、そっと右手で触れた。転移スキルの発動されてフォードの姿が一瞬で消失。レオンは「普通だな」と目に見えてしょんぼり。

「それで? 次は誰が死地に行くの?」

「アーサー」

「判りました。次は俺だ。頼む」

アーサーがクララちゃんの前にまで来て、目を閉じて軽く俯いた。それを確認してクララちゃんがアーサーに触れるかどうかというところで、私は転送魔法・旅の鏡を発動。狙いは幹部の中で最強らしいレオン。彼の注意は今はアーサーに向けられているわ。

「む?」

アーサーが転送された瞬間を狙っての奇襲。レオンは自身の胸から伸びる私の手を見て、ほんの一瞬だけ目を見開いたけどすぐに穏やかなものに戻って、「面白いな。だが、なんのための魔法だ?」と首を傾げた。

「鋼の軛!」

そこにザフィーラの拘束杭が床、左右の壁、天井の4面から十数本と一斉に突き出された。普段の使い方である突き刺しての拘束ではなく、掠るようなギリギリの軌道でレオンの体のすぐ側を通過させ、お一人様の牢屋とした。どれだけ時間が稼げるか判らないけど、この隙にリンカーコアを見つけないと。レオンのリンカーコアを手に入れるべく右手を旅の鏡に出し入れを繰り返す。

(無い・・・無い! どこにも無い! うそ・・・! リンカーコアがどこにも無い!?)

レオンは恐ろしいほどに巨体だから、手の平サイズのリンカーコアを探し出すのは難しいと思っていたわ。でも違う。どこにも無い。リンカーコアがレオンの体内に存在していない。それまで大人しく拘束され、私の旅の鏡を受け入れていたレオンが「もうよいか? 痛みは無いとはいえ腹を探られるのはあまり気分が良くはない」と言って、軽く身じろぎをした。たったそれだけで魔術化しているザフィーラの鋼の軛が折れた。

「おのれ・・・!」

――狼王の鋼鎧・剛――

「鉄破震砕打!」

ザフィーラの全身を覆う薄い魔力膜。さらに両腕を覆う魔力が膨れ上がって、その状態での拳打を繰り出した。初撃の右拳はレオンの鳩尾付近に直撃したけど、デバイスと肉がぶつかった音とは思えない音――金属の衝突音が通路に響く。レオンは直立不動のまま、「ふん」と鼻を鳴らした。

「っ! おおおおおおおおお
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