第百七十六話 スナックコーナーの前でその十
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「アマゾンはそうはいかないね、台湾ではどうかなっても」
「そういえば台湾って毒蛇多かったな」
「亜熱帯でね」
黄は中里に話した。
「山と碧も多くて」
「疫病も多いし」
「そして毒蛇もね」
こちらもというのだ。
「もう疫病と毒蛇の島ってね」
「言われてる位やな」
「疫病はどうにかなっても」
それでもというのだ。
「毒蛇はね」
「中々やな」
「そうなんだよね、これが」
中性的な可愛らしい声で述べた。
「台湾は」
「それで山にもか」
「山によるけれど用心した方がええよ」
「台湾では」
「そう、それと僕ちんのことだけど」
黄は笑いながらさらに話した。
「工業科の三年B組だよ」
「クラスはそっちやな」
「それで部活はメイド部だから」
「あっちの世界と一緒やな」
「制服の女の子のものだしね」
「リアル男の娘やな」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「この通りね」
「自分はどの世界でもぶれんな」
「僕ちんは僕ちんやからね」
「そういうことやな」
「あとクラスは工業科の三年B組でね」
黄はさらに話した。
「部活はメイド部だよ」
「そこでもメイドさんやな」
「女装してね、制服もセーラー服やし」
「水着もやしな」
「そやで、ただ下着はボクサーやから」
そこはそれだというのだ。
「流石に」
「下着はやな」
「そこだけはやで」
「まあそこはな」
「下着までだとな」
ナツァグドルジがここで言ってきた、背は一七〇位で日に焼けた涼し気な顔立ちだ。黒髪は後ろで束ねていて面長であり眉は薄い。右は青左は白のトランクスタイプの水着だ。見れば脂肪が殆どない身体だ。
「そこまでいくとな」
「もう本物過ぎるな」
「怖いものがあるわ」
「そやな」
「僕もそれはな」
どうにもというのだ。
「抵抗がある」
「僕もや」
「そやな、まあ女装はええけどな」
「それ自体はやな」
「否定せんわ」
「そうやな、それで自分のことやが」
「僕は三年I組でや」
ナツァグドルジは中里に応えて述べた。
「部活は乗馬部や」
「モンゴルやな」
「いや、草原に住んでる人よりはや」
「乗ってへんか」
「生まれて歩く前に乗ってる人よりはな」
「それは凄いな」
「モンゴル人は昔は皆そやった」
それが遊牧民であるのだ。
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