第104話 難楼討伐 前編
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藤、熱くなりすぎよ。私も烏桓族は好きではない。だからと言って、力の無い、女子供をなぶる趣味はない。私は正宗様の方針で構わない。それとも、あなたはそんな悪趣味が好みなの」
白椿は溜息を一度つくと、白藤を嗜めました。
「私にそんな趣味などない。賊共に報いを受けさせてやると言っているのだ! 彼奴等の前で、彼奴等の肉親を嬲り殺しにしてやれば、実に愉快だとは思わないか?」
白藤は白椿を腹立たしそうな表情で睨みました。
「思う訳ないでしょ・・・・・・」
白椿は白けたように言いました。
「白藤、静かにしろ! とにかく、難楼に使者を送る。軍議はこれで終わりだ。冥琳は後で私の陣幕まで来てくれ」
私は白藤を制し、軍議を終わらせました。
「正宗様、畏まりました」
冥琳は拱手して応えました。
私は軍議の会場を後にしようとしました。
「お待ちください!」
白藤が私に声を掛けてきました。
「何だ?」
私は彼女のことを面倒臭そうに見ました。
「降伏を促すと言われますが、降伏の条件は何でしょうか?」
「それを知ってどうする?」
「正宗様がいかな降伏条件を突きつけられるかが気になりました」
「この時点での降伏である以上、難楼にとって甘いものではない。即時、無条件降伏だ。上谷郡の烏桓族の武器と馬は私達が全て接収する。戦闘員には幽州各地の復興作業に5年間従事して貰うつもりだ」
私は淡々と白藤に言いました。
「その条件を飲まねば、難楼達に総攻撃を加えるということですね?」
白藤は酷薄とした笑みを浮かべ、私に確認しました。
「そうだ」
私は白藤の表情を伺いながら、短く応えると、白藤は拱手をして踵を返しました。
彼女は難楼が私の考えている降伏条件を飲まないと思っているでしょう。
多分、その可能性が高いです。
ですが、この条件を飲まなければ、幽州の民は納得しないでしょう。
そもそも上谷郡の烏桓族がそれだけのことを幽州の民に行っています。
正直、この降伏条件でも彼らの行ったことを鑑みれば、甘い裁定でしょう。
余所者の彼らがこの地で暮らしていくには、幽州の民に歩みよるしかありません。
そうしてくれれば、私が難楼達に手を差し伸べることができます。
やはり、私が使者として行くべきなのかもしれません。
でも、冥琳は許してくれないでしょうね。
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