第104話 難楼討伐 前編
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通過する必要がある。もし、そのような事態になれば、直ぐに分かるだろう」
私の言葉に白藤は悔しそうに下唇を噛みました。
彼女は本当に烏桓族が憎いのですね・・・・・・。
「正宗君、難楼に降伏勧告をするのは構わない。でも、彼奴が降伏を飲まなかったらどうする気だい」
白蓮は私を真っ直ぐ見据え、厳しい表情で言いました。
彼女はいつもの朗らかな雰囲気と違い、戦人の雰囲気でした。
彼女も烏桓族への総攻撃を望んでいるのでしょうか?
それだけ幽州の民と烏桓族の間には根深いものがあるのでしょう。
白蓮が指摘した通り、難楼が降伏を受け入れなければ・・・・・・。
最悪の結果が待っています。
難楼が降伏しなければ、彼((彼女?))に従う非戦闘員も許す訳にいかなくなります。
できるだけ考えずにいましたが、そうも行かなくなりました。
「降伏を受け入れないなら、総攻撃を行う。その時は見せしめのために、女・子供・老人問わず皆殺しにする」
私は暫く悩んだ後、重たい口を開きました。
「正宗様、お考え直し下さい! せめて、非戦闘員だけでもお見逃しください」
星が私の前に進み出てくると、膝を着き懇願してきました。
「星・・・・・・、父や兄を惨たらしく殺された者達が私達を、幽州の民をどう思う? お前達の父や兄は略奪を行った大罪人だから殺されたのだ、と言って納得できるか? できないだろう・・・・・・、人はそこまで合理的にはできていない。私達が憎まれるのは当然だ。だが、幽州の民を危険に晒すことはできない。そこで情けを掛ければ、幽州の民にとって仇となるだろう。星、私は可能な限り降伏を促す、だが、覚悟はしておけ」
私は沈痛な面持ちで、星を見つめました。
「し、しかし・・・・・・。それではあまりに身勝手でございませんか!」
星は悔しそうに顔を俯き、拳を地面に叩き付けました。
「星の言う通りだ・・・・・・。私は幽州の民を救うために、上谷郡の烏桓族を切り捨てるかもしれない。だが、それを決めるのは難楼だ。大人しく降伏すると言えば、非戦闘員には決して手を出さない。彼らの命も保証する」
私は星に歩み寄り、諭すように言いました。
「ふふ、フハハハハ、正宗様、あなたは甘すぎます・・・・・・。あなたも幽州で半年の間、この地の惨状をご覧になったでしょう! 難楼率いる烏桓族は女を攫い、犯し、売り飛ばし、生活に苦しむ民から、食料を奪っていく。彼奴等は屑です! 屑を掃除して何が悪いのです! 烏桓族など皆殺しにすればよいのです!」
白藤は腹を抱えて笑ったかと思えば、急に激昂し、私を睨みつけ、声高に言いました。
「白藤、控えよ!」
冥琳は白藤に厳しく言いました。
「はぁ・・・・・・、白
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