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夢幻水滸伝
第百七十六話 スナックコーナーの前でその六
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「部活はバイク部です」
「バイク好きか」
「はい、それでです」
「部活はそっちか」
「ワイルド何とかって漫画読んで」
 そうしてというのだ。
「それから好きになりました」
「ワイルドか」
「七人が活躍する」
「あの全員元々はならず者の作品やな」
「それを読んで」
 そうしてからというのだ。
「好きになりました」
「そやねんな」
「あの漫画は面白いですね」
 梁はフランクフルトを食べつつ述べた、一八七ある筋骨隆々の身体でアジア系だが彫のある感じの顔で黒髪も縮れている。黒い目の光は強く黒と黄色の虎柄模様のトランクスタイプの水着に某関西の虎のチームのユニフォームを羽織っている。
「実に」
「ああ、しかしな」
「何でしょうか」
「自分虎キチか」
 中里は梁のそのユニフォームから問うた。
「そっちか」
「はい、日本に来てです」
 梁もこう返す。
「それで好きになりました」
「そうか、やっぱりな」
「いや、ただ強いだけやなくて」
「絵になるチームやろ」
「勝っても負けても」
「それが阪神やからな」
「観ていて好きになりました」
 そうなったというのだ。
「自分の場合は」
「そうしたファン多いで」
「そうなんですね」
「かく言う僕もやしな」
「そうなんですね」
「ちなみに統計取ったらうちの学園幼稚園から大学院まで阪神ファンが半分以上でな」
 それだけの割合でというのだ。
「巨人ファンはゼロやった」
「そうですか」
「今や十年連続勝率一割台でチーム打率二割防御率十点エラー数二百でな」
「笑う位弱いですね」
「しかも悪事ばかり働いてる」
「それで人気ないんですね」
「そや、十二球団で一番人気がない」
 そうしたチームになったというのだ。
「それが巨人でな」
「うちの学園でもですね」
「ファンはおらん」
「そういえば自分工業科の二年C組で」
 クラスはそこでというのだ。
「ラグビー部ですけど」
「周りに巨人ファンおらんやろ」
「テレビやと結構おりますのに」
「瞼腫れた爺さんとかやな」
「うちの学園はいませんね」
「関西やしな」
 地域のこともとあるというのだ。
「関西は昔から阪神でな」
「巨人ファンは少ないですね」
「そのこともあるしそして巨人の数々の悪事が世に知れ渡って」
 チーム創設以来のそれがだ。
「マスコミに力なくなってお金もなくなって」
「巨人の親会社もですね」
「それでや」
「巨人は弱くもなって人気もなくなった」
「それでや」
 そうした諸事情があってというのだ。
「うちの学園全体でな」
「ファンもおらん様になりましたか」
「悪は長くは栄えんしな」
「巨人イコール悪ですね」
「というか戦後日本の悪徳の象徴や」
 読売ジャ
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