第百七十六話 スナックコーナーの前でその三
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「そうですさかい」
「二人もそっくりやねんな」
「そうかと」
こう中里に話した。
「要するに」
「そういうことやな」
「はい、それとですが」
「それと?」
「私も自己紹介しますんで」
お握りを食べつつ言ってきた。
「ええでしょうか」
「ああ、ちなみにそのお握り中の具は何や」
「梅干しです」
「そっちか」92
「はい」
そうだというのだ。
「最初はその酸っぱさに驚きましたが」
「ええやろ」
「美味しいですね」
「そやろ」
「はい、それで自己紹介ですが」
「ああ、自分のな」
「クラスは農業科の一年D組で」
クラスはそこでというのだ。
「部活は忍者部です」
「くノ一やな」
「くノ一はミニスカートみたいな装束とか丸出しみたいかと思ってましたけど」
「どっちもないからな」
「特に丸出しは、ですね」
「そういうのは漫画やゲームの話でな」
あくまで創作のことだというのだ。
「実際はな」
「男の人と変わらへんですね」
「ミニスカで動き回るとな」
「脚が傷付きますね」
「そやからな」
「実際はないですね」
「山とかで下手に動き回ったらな」
それこそというのだ。
「漆とかでかぶれたり虫にも刺される」
「あと木の枝や石で怪我もしますか」
「それでその怪我から破傷風になったりするやろ」
一歩どころかほんの数ミリ単位でも間違えると死に至る恐ろしい感染症だ、しかも死に至るまでが非常に辛い。
「そやからな」
「露出は少ないんですね、くノ一は」
「実際はな」
「普通の忍装束ですか」
「そや」
「男の人と一緒ですね」
「ミニスカみたいな服は絶対にないし」
それにとだ、中里はさらに話した。
「ゲームにある丸出しな、某格闘ゲームのやろ」
「あのキャラです」
「あんな恰好は絶対にない」
間違ってもというのだ。
「ほんまにな」
「そういうことですね」
「ああ、忍装束は言うならジャージやな」
今で言うとそれになるというのだ。
「動きやすいからな」
「それで身体も守ってくれる」
「そういう服や」
「そうですか」
「それでもあのデザインがええですね」
ガルパンが言ってきた、明るい金髪で黒い目で顎の先が尖った明るい顔立ちだ、背は一七三位で黒のトランクスタイプの水着がよく似合う痩せていてかつ引き締まった体型だ。
「忍者の服は」
「今や世界的に人気やしな」
「そうですね」
「あっちの世界でもそやしな」
「職業の一つですさかい」
「メジャーになってるわ」
「ほんまに。まあおらっちはダンサーですけどね」
ガルパンは笑って自分のことを話した。
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