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夢幻水滸伝
第百七十六話 スナックコーナーの前でその二
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「お魚美味し過ぎます」
「そこでお魚か」
「はい、お魚が美味しいかどうかは」 
 このことはというのだ。
「ええ国かどうかの重要なパラメーターかと」
「それ自分がお魚好きやからやろ」
「セーシェルは島国ですさかい」
「それ日本もやけどな」
「しかも狭いんで」
 国土がというのだ。
「日本より遥かにです」
「お魚が大事か」
「何しろ食料自給率ゼロです」
「おう、思い切ってるな」
「そうした国でして」
「お魚が重要やねんな」
「美味しいお魚、魚介類全体がそうで」
 それでとだ、ダイアナはさらに話した。
「さらにです」
「さらに?」
「はい、川や湖の幸もええですね」
 こちらもというのだ。
「岩魚とか鮎とか鯉も」
「どれも美味しいな」
「そやからええ国やとです」
「自分も言うねんな」
「思ってます、あと私は一年D組で」
 クラスはそこでというのだ。
「部活は釣り部です」
「そのままやな」
「釣ったお魚を調理して」
「そして食べるんやな」
「日本酒と一緒に」
「自分日本酒も好きか」
「めっちゃ好きです」
 こうまで言うダイアナだった、そして。
 カウサリアとトウジも言ってきた、二人共童顔で背は一四八ない感じだ。そしてどちらも慎ましいスタイルで黒髪を短くしている。カウサリアはやや黒いがトウジは白くそこが違う点だった。水着はカウサリアが白のワンピースでトウジが黒のワンピースだ。
「日本って美味しいもん多いし」
「お魚だけやなくて」
「このおうどんにしても」
「かなり美味しいで」
 二人共きつねうどんを食べつつ言う。
「おつゆもええし」
「麺も薄揚げの組み合わせも最高や」
「自分等親戚とかちゃうやろ」
 中里は二人のよく似た外見を見て言った。
「そやろ」
「はい、ちゃいます」
「国もちゃいます」
「あたしはネパールで」
「あたしはプータンです」
 カウサリアもトウジも話した。
「クラスも同じですけど」
「商業科の一年E組ですけど」
「部活も同じ演劇部ですけど」
「姉妹でも親戚でもないです」
「その割には似てるな」
 中里は二人を見つつしみじみとした口調で述べた。
「自分等」
「よお言われます」
「日本に来てから」
「佐藤兄妹より似てるって」
「双子みたいって」
「ほんま双子に見えるわ」
 実際にとだ、中里は述べた。
「自分等は」
「そうですね、けどお国もちゃいますから」
「両国の場所結構離れてますし」
 プータンとネパールのそれはというのだ。
「確かにどっちも山国ですけど」
「ヒマラヤの中にある」
「それでもやな」
「血縁関係はないんで」
「仲もええですがそこはちゃいます」
「そやねんな」
「世の中そっくりさんが三人いるとい
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