第二章
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「今は長生きすることによ」
「頑張ってるんだ」
「もうすぐ七十だけれどね」
「七十っていったら今頃珍しくないよ」
孫は祖母にこう言った。
「別に」
「そうでもないのよ」
祖母は孫にここでは真面目な顔になって話した。
「これがね」
「そうなんだ」
「七十まで生きられない人も多いのよ」
それはこれまでの人生を振り返っての顔だった、その間色々なものを見てきてそれで孫にも話すのである。
「これがね」
「その間死ぬ人が多いんだ」
「人間五十年って言うわね」
「織田信長さんだね」
「その五十まで生きられない人もいるし」
それでというのだ。
「七十までもね」
「そんなものかな」
「昔は古稀って言ったのよ」
祖母はここでこの言葉を出した。
「七十歳まで生きたらね」
「古稀っていうと」
「古来稀ってことよ」
「七十歳まで生きる人は滅多にいなかったんだ」
「だから毛利元就さんはね」
祖母は今度は地元の英雄の名前を出した、一代で山陽と山陰の覇者になったが数多くの策謀を駆使してきた。
「凄かったのよ」
「そうだったんだ」
「七十まで生きたからね」
「それで祖母ちゃんもなんだ」
「七十まで生きられたら」
それならというのだ。
「凄いと思うわ」
「それで長生きになんだ」
「この子達がいるから」
それぞれご飯を食べている猫達を見つつ笑顔で話した。
「頑張れるわ」
「まあ猫は癒しがあるからね」
安吾はここでこのことを言った。
「だからね」
「そうね、だから祖母ちゃんこれからもね」
「頑張るんだ」
「そうするわ、この子達と一緒にね」
「ニャア」
猫達はここで鳴いた、そして祖母は祖父であり夫である義実、白髪で細表で皺が多いがきりっとした顔の彼と共にだった。
金婚式も迎えた、しかし。
その後でだ、祖母は。
胃の痛みを訴えた、家族はまさかと思った。
「胃って」
「まさか胃癌?」
眼鏡をかけた安吾の父淳も黒髪のロングヘアの母の一葉も不安に思った。今は二人が社長と副社長として頑張っている。
「胃っていうと」
「そうじゃないよな」
「まあ病院に行って」
そしてとだ、義実は心配する息子夫婦に話した。
「それでだよ」
「わかることだね」
「そうですね」
「だからね」
それでと言ってだ、そのうえでだった。
祖父は祖母にこう言った。
「病院に行こう」
「それがいいわね」
「そうしたらわかるしね」
どうして胃が痛いかだ、祖母も頷き病院に行くことにした。
その病院に行く時に祖母は猫達に優しい声で言った。
「祖母ちゃん今から病院に行って来るね」
「ニャア」
「ニャン」
「ナア」
「ニャンニャン」
「ミャア」
猫達は鳴いて応えた、そ
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