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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
第2話 訪日前夜!!
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われ、露頭に迷う者を救うのは当然と判断したからです」


今度はブラック将軍が顎に手を当て、擦るようにして考え込む。
先程の個人的感情からという理由ではなく、ショッカーの理想を優先した結果という千堂の主張に頭が混乱しそうになる。この男の中では個人と組織の理想、どちらの方優先順位的に上なのだろう。
ますます、この千堂という人間が分からなくなってきた。
それに……助けた相手は何れも異世界人。そのまま、放置したところで彼に責任は及ばない。何故、異世界人相手にそこまで本気になるのだろうか。


「はぁ、何故、貴様はそこまで他人を救う為に全力を出せるんだ。相手はショッカーの人民でもないんだぞ?」


「偉大なる大幹部である将軍にこんな当たり前なことを言うのはおかしな話ですが……」


千堂は頭を上げるとまっすぐブラック将軍の目を見つめた。将軍は目を細める。
意外だ。言葉を返してくるとは……。


「防衛軍は偉大なる大首領様の軍隊です……正義の体現者たる大首領の。
そして私は偉大なる至高の御方、大首領様に選ばれた改造人間です。
であるならば自分には正義を貫き、護るという使命があるはずです」


心の奥底から大首領とショッカーを崇拝しきっている目だった。
千堂の話の内容から、ふとあることが気になったブラック将軍は口の端を引きつらせて尋ねた。



「では聞こう。貴様が貫き、護ろうとしている正義とは何なのだ?貴様の正義とは?」


その質問に対し、ブラック将軍の予想に反して千堂は即答してみせた。


「『大首領様のお創りになった理想郷を御守りし、輝かせ続けること』。この一点に尽きます。
それに……お言葉を返すようで失礼ですが先程、将軍は『"私"の正義とは何か?』と問われましたがそれは違います。正義に公私はありません。常に一つです」



そう静かに言う千堂の顔に曇りはない。
ブラック将軍は「ほう、続けろ」と少し嫌味たらしい口調で告げた。この際、千堂の正義観についても探ろうと思ったのだ。



「正義とは大首領様が示される光り輝く道です。大首領様は統一時に我々、迷える人民に競争と秩序の大切さを教えてくださいました。私は統一当時の生まれではありませんが幼い頃に曽祖父から当時の事を何度も聞かされて育ちました。


そして今、全ての人民、そして世界は大首領様、そしてブラック将軍をはじめとした大幹部方の慈愛溢れる治世によって正しい道を歩んでいます。


対して、帝国世界や日本世界は何百という国家が分裂した無秩序で混沌とした世界です。彼らもまた、かつての我々と同じ正しい道を歩めていない迷える民なのです。改造人間である自分にはショッカー理想に従い、彼らを救う義務があると思うのです。


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