第2話 訪日前夜!!
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派遣される大幹部が誰か……。
それは護衛を務める千堂にも知らされていない。恐らく、不穏分子や強硬派の妨害を防ぐ為に意図的に情報を統制しているのだろう。
全く……派閥争いを争いをしている場合ではないだろうに……。
千堂が肩をすくめ、内心で溜息をついた刹那―。
コツ、コツ、コツ………
足音が響いた。
それもただの足音ではない。大首領ほどではないが支配者然としたオーラが音を聞くだけでも感じることができた。
会議室にいる一同に緊張が走る。それは改造人間である千堂も例外ではなく、額に冷や汗が浮かんだ。生唾をゴクリと飲む。
今からこの部屋に入られる御方は自分の比ではないほど強力な改造人間だ。
理屈では説明がつかないようなもっと本能的なものが千堂にそう訴えかける。
いわば改造人間としての直感である。
千堂はこれからその人物が開けるであろう会議室の扉を注視した。
そして、ゆっくりと会議室の両開き戸が開け放たれるとオープンヘルムを被り、ヨーロッパ風の軍服を着た男が入室する。
目の前の男はゾル大佐と違い、千堂と直接の面識はないが、大首領の信任厚い、偉大な大幹部の一人だ。
一同は慌てて立ち上がり、背筋を真っ直ぐ伸ばした。踵を打ち合わせ、右手を頭上に高く掲げる。
「「「「イーッ!!!」」」」
室内には奇声が響き渡った。
「うむ、これで全員揃っているようだな」
その人物は威厳を込めてご苦労とばかりに片腕を軽く上げて頷き、ヘルムのつば越しに一同をジロリと見た。
彼が動くと軍服に付いた様々な勲章がきらめいた。
その人物こそ、ゲルダム団大幹部、ブラック将軍である。
「お目にかかれて光栄です」
千堂は敬礼の姿勢を崩すと賛辞の言葉を述べた。
千堂は表情こそ固いが、内心では感激していた。ゾル大佐、暗闇大使に続いてブラック将軍と、一年間に三人も大幹部の方々をお目にかかれる人民はショッカー世界広しといえどそうそういない。
ここまで来ると幸運を通り越して激運である。
それくらい千堂は感激していた。
ブラック将軍。
元ロシア帝国陸軍将軍でロシア革命を機にアフリカへ移った。その際にゲルダム団に入団し、大幹部となった。
ショッカーが世界を統一する過程においてゲルダム団、とりわけ彼が果たした役割は大きい。その天才的な頭脳を駆使した二弾三段構えの作戦で世界を混沌に導こうとした仮面ライダーを始めとした不穏分子共を翻弄したという。
また、今では当たり前の合成怪人の製造技術を提唱したのもブラック将軍である。
つまり、合成怪人からすれば父親のような存在なのである。
ゲル
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