第2話 訪日前夜!!
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り、千堂が敬礼すると彼らも敬礼をして返した。
外務省内部に入ると、エントランスを通り、エレベーターを使って最上階を目指した。最上階に着くと長い廊下を進んで会議室に入る。
既にそこには今回の訪日使節団の面々が勢揃いしており、高級感のある縦に長い机の両端に並ぶように着席していた。
千堂は着席している顔ぶれを見る。
今いるメンバーだけで千堂を含めても6人。人数こそ少ないが、構成に統一性はなく、白人系もいれば黒人系の者もおり、女性や男性などの性別の垣根もなかった。おそらく日本世界に対して、公平感をアピールするためだろうと千堂は推測した。
しかし、ただ1つ、公平でないと点があるとすらならば、顔ぶれ達の職種だろう。職種に関しては外交官から学者、そして軍人など政府要職が多い形となっている。これには理由がある。派遣先の日本がいくら治安がいいとはいえ、ショッカーからすれば未知なる異世界なため、派遣する人材を厳選したのだ。
さらに日本側に少しでも危機意識を与えないためか、この場にいるのは千堂を除いて、改造人間でない者ばかりだ。
(徹底してるな……それだけ今回の訪日には力を入れているということか)
千堂が感心していると会議室の座席からスーツを着た男が立ち上がる。
「貴方が千堂大尉ですね?ご噂はかねがね……。ご活躍なさっているそうで」
社交的な姿勢、真っ直ぐな視線、微笑み、仕立てられたスーツ。
キッパリとした身なりや洗練された動作を見ると、どうやら彼はショッカー外務省の外交官のようだ。
千堂は会釈して返答する。
「過大評価ですよ。運と人に恵まれてるだけです」
その時、千堂はまだ一つだけ空席の椅子があることに気づいた。その椅子は会議室のテーブルの一番奥……いわゆる上座に位置していた。
誰がまだこの場にいないかは誰でも分かることだった。
「そういえば……この訪日団の団長がまだですね」
「ええ、聞くところによるとその御方は大幹部なのだとか……。実は私、大幹部の方を直接、目にするのは初めてなんです」
彼は緊張からか手足を震わせ、顔をこわばらせていた。
これが普通だ。改造人間である自分でさえ大幹部にお会いできることなど滅多にない。戦争が始まってからゾル大佐や暗闇大使と顔を合わせる機会を頂いたがそれまでは自分が大幹部の方々と話す日が来るとは夢にも思わなかった。
改造人間でさえそうなのだから、ただの人間ならば普通に生活していればお目にかかれる機会など人生を三回繰り返しても一回あるか無いかだろう。
「団長はどなたなんだろう?死神博士様か、地獄大使様か……。どなたにせよ、きっと素晴らしい方なんだろうなぁ……」
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