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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
第2話 訪日前夜!!
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こちらが正義とは何かを示せばいくら時間がかかったとしてもいつかは彼らの世界もかつての我々の世界のように進歩を続ける理想郷へと変わっていくでしょう。
それでも賛同しない者は大首領様の御思想に賛同しない反逆者か、ただ単純に理解しようとしていない赤子ぐらいな者だけだと思います」


千堂は目を見開き、大げさに両手を広げて語る。その口調は堂々としたもので、表情はどこか優しさと自信に満ちているようにも見えた。


「今回の訪日にしてもそうです。日本世界がショッカーの偉大さ、素晴らしさを目の当たりにすれば彼の世界で虐げられた全ての人民にとって希望の光となるはずです!」


千堂がひとしきり、語り切ってブラック将軍を見つめると彼は顔をうつむかせ、肩を痙攣させていた。
何事かと、不安に思っていると奇妙な声がブラック将軍の口から漏れた。


「フ、フフ…………」


「将軍?」


「フフ、フハハハハハハハハ!!」


ブラック将軍が突然、笑いだし、千堂は何事かと戸惑う。だが対するブラック将軍はどこか嬉しそうだった。


「そうか!それが"貴様の"考えるショッカーの正義なのだな?」


「は、はい」


「よろしい、では下がれ。先程、説明にもあったが明日、またここで集合だ。忘れるなよ」


「え……?あ、イ、イーッ!!了解しましたッ!!」


そう言うと千堂は戸惑いながらもブラック将軍に背を向け、会議室を去った。


(そんなにおかしいことを言ったか?もしかして不敬なことをしてしまったのか!?)


千堂は不安気な気持ちのまま、明日を迎えることになった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

千堂が去った後の誰もいない会議室は静まり返っていた。
そんな中、ブラック将軍は今一度、上座の椅子にドッカリと座ると、机に両肘を立てて寄りかかり、両手を顔の前に持ってくる。
いわゆるゲンドウポーズである。
彼の口元は先程からずっと弧を描いていた。


 

世界征服から今年で百年。
いくらショッカーの理想が世界に行き渡り、怪人の理想郷が建設されたとはいえ、それほどの時間が経過すれば理想や主義主張の形骸化が発生する。
さすがにショッカーの理想の根幹たる、『新世界秩序』までは形骸化してはいないが、その他の下部組織が統治する州ではそれが顕著に現れていた。
ゲルダム州もその例に漏れず、『1,めいれいにしたがわないものはころす』から始まるゲルダム団の掟すら、一部の条文が形骸化していた。
そんな中、ショッカーに存在意義を見出し、理想を外の世界にまで拡大しようと考える若者がいたことに嬉しさの余り、思わず笑ってしまった。

  
千堂という男
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