第2話 訪日前夜!!
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なければ死ね』
あの声は!!!
忘れもしない、ショッカーの支配者…大首領だ!!!
前回、謁見した時とは全く異なる姿だが波のように押し寄せる圧倒的な恐怖のオーラだけは全く変わらなかったため、大首領本人だと分かった。
こんなにも鋭い眼光と禍々しい覇気を放てる者はそういないからだ。
(帝国、いや、この世界は……もうお終いなのか?)
絶望の余り、ピニャがへなへなと地に膝をつく。その時、ピニャは思わず、広場の方に目をやった。その広場は市街地の中心に位置しており、普段なら臣民達でいっぱいになるのだが、今、そこにいたのはショッカーの怪人軍団だった。
それを目にした時、ピニャは逃げようとした。だがその広場に掲げられていたある物が気になり、その光景をより注視した。
十字架だ。
広場の中心に1つの十字架が掲げられ、既に事切れた男の遺体が一体、貼り付けられていた。どうやら怪人達はその男が吊し上げられていることに興奮し、沸き立っているようだった。
男の顔は血の気が引いており、虚ろな目がピニャをじっと見つめる。
その遺体は血と泥で汚れているとはいえ、きらびやかな衣装を纏っており、頭には金色の王冠を載せていた。その出で立ちから自分と同じ皇族であることが容易に分かった。
ま、まさか…………。
ピニャは恐る恐る遺体の顔を見て、絶叫を上げた。
掲げられていたのは帝国の皇帝にして国家元首……モルト・ソル・アウグスタスその人だった。
「やあぁぁ!!!父上ェェーー!!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
帝国 帝都 皇宮内にある寝室
「ハァッ!!はぁ………はぁ、夢だったのか」
余りの恐怖にピニャは目を覚ます。
そして夢だったことに安堵し、ホッと溜息をつく。心臓がバクバクと激しい鼓動音を鳴らす。
辺りを見回すとそこは先程、夢で見た血みどろの虐殺現場ではなく、自身のきらびやかな寝室だった。
ここ数日、ピニャはこんな調子だった。ショッカー世界に行き、大首領に謁見した日からショッカーの怪人軍団によって帝都が炎に包まれ、皇族・平民問わず皆殺しにされる夢を見るようになった。
ショッカー世界の文明、軍事力、科学力を直に見たことでピニャはショッカーの恐ろしさを嫌と言うほど、理解させられた。
その中でも特にピニャの脳裏からこびりついて離れないものがあった。
大首領、その人である。
謁見した際の息が詰まるような恐怖感、心臓を掴まれたかのような緊迫感は未だに身体が覚えており、毎夜見る悪夢ではその存在が必ずと言っていいほど登場していた。先程の夢では黄金の頭蓋骨だったが、昨晩の夢では牙の生え
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