第2話 訪日前夜!!
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帝国 帝都?
「きゃああああ!!!」
「うわぁッ!やめろぉぉ!!」
「助けてくれッ!助けてぇッ!」
帝都は炎に包まれていた。辺りからは黒い煙と悲鳴が上がる。
阿鼻叫喚の火炎と血の沼地獄。
その光景はそう形容するのがふさわしかった。
ショッカーがとうとう本格的な侵攻を開始したのだ。ショッカーは白昼堂々、クライス要塞を運用し、帝国各地を攻撃、占領していた。
この帝都での火災もクライス要塞の腹部から放たれる怪光線による無差別空襲が原因である。元老院や皇宮も例外ではなく燃え盛り、半壊状態となっている。
そんな中、ショッカーの怪人達が帝都の城門を持ち前の怪力で破壊し、凄まじい勢いで続々と入城する。
彼らは市街地に突入すると臣民達を奥へ奥へと追い立てていく。
臣民達が必死に逃げ惑う様を怪人達はゲーム感覚で楽しんでいるようでもあった。
やがて臣民達は壁際に追い詰められる。
すると怪人達は"鬼ごっこ"に飽きたのか始末を始めた。
臣民達は生きながらにして焼かれ、溶かされた。
なんとか生き残った者も拘束され、奴隷となり、ショッカー世界へ連行されていた。
「はぁ、はぁ………は、早く逃げなければ…!!」
煉瓦造りの建物と建物の間の路地を必死に走る一人の女性。
帝国皇女ピニャ・コ・ラーダである。彼女はクライス要塞による空襲をなんとか生き延び、皇宮を離れて、市街地に落ち延びていた。
いくら市街地とて安全ではない。
至るところで火の手が上がり、石畳の通りを真っ赤に染めていた。
「ショッカーの侵攻が始まってしまった……いくら妾が、妾が彼らの脅威を説いても誰も聞いてくれなかった」
ピニャは必死に走りながら自分の不甲斐なさを悔やむ。自分がもっと講話に向けて皇帝や元老院に働きかけていればこんなことにならなかったのに……。
妾のせいで臣民も、ゾルザル兄様も、ディアボ兄様も死んでしまった。あの怪光線に巻き込まれて爆死してしまった。
路地を脱し、燃え盛る通りを切り抜けた。火の手から逃れようと頭と身体を必死に働かせていると―。
『フハハハハハハハハ……』
その時、ピニャは何かが直接、神経に割り込んでくるような非常に不快な感覚を覚えた。思わず立ち止まる。いや、ピニャだけではない。帝国中の生き残った人々に語りかけているその声に皆、戸惑っていた。
突如、ピニャの遥か後方にある焼け崩れた皇宮の上空に巨大な黄金の骸骨が浮かぶ。その不気味かつ悍しい姿はピニャを含む生き残った者の脳内に平等に恐怖感を植え付けた。
『この世界最強の国家、帝国は負けた。この世界はこれから我がショッカーの支配下に下るのだ。愚かな異世界人共よ。潔く降伏せよ、さも
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