92 合唱コンクールへの道
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ありは羽田空港付近のホテルより外出した。
(それにしても見つけられるかしら・・・)
その時、シャクシャインが現れた。
「あら、シャクシャイン、来てくれたの?」
「うむ、私以外でも来ておる。尽力する」
「ありがとう」
三河口は登校しながら東京に滞在中の従姉の事を気にしていた。
(ありちゃん、大丈夫かな・・・?)
かよ子のクラスではクリスマス合唱コンクールに向けての学級会を行っていた。学級委員である丸尾末男とみぎわ花子が教壇の前に立つ。
「皆さん、静かにしてください!今からクリスマスに行われる合唱コンクールについて決めたいと思います」
「歌う曲は『大きな古時計』です」
「ズバリ名曲でしょう」
児童達からはシケた歌とか良い歌とか意見は様々だった。
「ピアノ係は誰がいいか、立候補を決めてください」
その時、お金持ちのお坊ちゃま、花輪和彦が立ち上がった。
「Hey、ボクがやろうじゃないか。ボクは3つの時からギルバート先生にpianoのlessonをして貰っているのさ。自慢じゃないけどもうモーツァルトも弾けるんだよ」
「そのギルバート先生って何人?」
まる子が聞いた。
「イギリス人さ」
「何で日本の清水にいるの?家出?」
「しっ、知らないよ。ボクはprivacyにはかかわらない主義なのさ・・・」
花輪は返答に困った。他のクラスメイトからも怪しまれたり不安の声が挙がった。
「きっ、キミ達、別にボクの先生が誰だって別にいいじゃないか。こんなpianoの上手いボクがclassにいた事だけでもluckyだと思いたまえ・・・」
花輪は何とかその場を凌いだ。
「では次に独唱してもらう人を決めて貰います。ほんの一小節ですが、独唱の部分があるのです。1番、2番、3番一人ずつお願い致します」
だが、独唱に名乗り出る者は勇気がないのか、面倒臭いだけなのか、ただ歌に自信がないのか、なかなか出てこなかった。
「では、推薦をお願い致します」
「はい」
女子の一人が立ち上がった。
「私は女子では山田さんがいいと思います」
「え・・・、私?!」
かよ子が自分が指名されて少し焦った。
「歌のテストでもいい声してたしね」
「賛成」
(私が・・・、できるかな・・・?)
かよ子はおっちょこちょいな自分に独唱などできるか不安だった。
「大丈夫だよ、かよちゃん、いい声してるもん」
「頑張れよ!」
皆は周囲から期待と応援の声が飛ぶ。
(それなら・・・)
「ズバリ、山田さん、やってくれますね?」
丸尾も確認を取る。
「はい、頑張ります」
(よーし、おっちょこちょいしないように練習しないと!!)
かよ子は燃えた。そして次に他2名の独唱者の選定に行く。そんな中、藤木はある事を
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