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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
アスカリの持ちたる国〜ヴァンフリート民主共和国〜(中)
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いて【交戦星域】間で相互に依存しあっているのが実情だ。
人民元帥という立場に権限が集約される理由はこうした対外的な対応に指導力が求められたからという一面もある。
であるが故にヴァンフリート人民防衛軍は(他の構成国軍でもそうだが)とくに将校が同盟軍に出向することへ力を入れている。鉱工業の輸出に星間警備、他国とのコネクションはこの国の経済を回す財産として特に価値が高いのだ。
「であれば革命プロレタリア総同盟か、市民共和党か――ヴァンフリート主権擁護連合になりますね」
労農連帯党系列の最左派にして最タカ派を行く革命プロレタリア総同盟。
同盟政府のロビー団体ともいわれる自由主義政党の市民共和党か、あるいは銀河連邦臨時政府の立場を利用し同盟懐疑派を名乗る対同盟自主路線のヴァンフリート主権擁護連合か。
同盟政府と対峙する為に左派大衆主義へ傾斜するか、同盟政府に好意的に接し利益誘導を図るか、あるいは独自路線を打ち出し政府への攻勢を強めるか。
利益を引き出すと単純にいっても方法はそれぞれだ。独裁者であるかのように言われながらもヴァンフリート国民と同盟国民という漠然とした概念の機微を読み取ろうと必死になっている。
「貴様はどう思う」
人民元帥は重々しい口調で同盟弁務官たる中将を問い質す。
「‥‥‥そう、ですな」
ルンビーニ事件の追及、軍の動向、そして今日わざわざ出向いた同盟軍大将。
イロンシは改めて”我らが最高指導者”を観察する。彼は無感情な瞳で自分の姿を眺めている。
モハメド・カイレの任期は後5年だ。彼は既に在任7年目、2期12年務めあげれば代替わりをするのが慣例だ。そして自分の任期も後5年。この一致が彼が自分を呼び出したことに関係があるのだろうか?畜生、きっとこれは余計な雑念だ。
――さてどうこたえるべきか。
「私はまだ答えを出すのは早いかと思います」
早口にならぬよう、遅くもならぬよう、意識して発音する。
「それは何故だね」
「まず、明日ですがこちらにマスメディアを呼び寄せたのはまず間違いなく国防委員会、トリューニヒト委員長、あるいはシトレ本部長です。
その根拠は7月に統合作戦本部長の任期が切れ議長指名人事の承認が必要であること、もう一つはそうである以上、そろそろイゼルローン攻略作戦か安全保障政策について大きな発表があるはずです」
「うむ」
「そしてもう一つ、ルンビーニの大事故について裏で疑獄に至る可能性がでています」
「ほう」
人民元帥は眉をあげた。興味を示したのであれば、とイロンシは頭に叩き込んだ情報を吟味しながらアウトプットする。
「同盟軍も当然それはつかんでいる筈です、救命活動に動いておりましたので。遠からず、委員長は辞任し、委員会の政務委員も宙間交
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