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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
アスカリの持ちたる国〜ヴァンフリート民主共和国〜(中)
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もの間、その多くの期間を(ダゴン会戦までの大平の200年においては分裂し、野党となることもあったが)与党として過ごしてきた。
 包括政党として党内の派閥を調整し連立を組む政党を変える事で人民元帥ごとの姿勢に迎合し続けてきた。軍のアスカリと労働者達によって創立された政治運動組織が母体であり、ナイナーニェン一派排除と臨時政府組織の主導している。

 彼らの政治的役目は大衆と人民元帥の間を取り持つことである。選挙前に【立候補者名簿すり合わせ】が行われるようになっており、労兵評議会において第一与党として人民元帥を輔弼しながら要望を伝える権力機関となっている。
 
「鉱工連盟ではいかんのですか」
 カイレと最も懇意であるのが宙間鉱工連盟だ。古参政党でありナイナーニェン排除の際に同調したヴァンフリート鉱工業や宇宙空間資源開発業を運営してきた非黒人系技術者達が中心となって設立された中産階級政党だ。(数百年を経てとっくに混血化しているのだが)
 その為、カイレ出自と経験から革命防衛連合と共に宙間鉱工連盟から厚い支持を得ている。

「無難ではあるがハイネセンとの距離を強調したい」
 人民元帥は平和な内においても国家元首として存在し続けた。その理由は多岐にわたるが銀河連邦臨時政府の継承が対外的に意味があったこと。更に産業、教育、社会体制において軍の存在があまりに大きかったこと。そしてヴァンフリート民主共和国はその建国経緯、立地条件、産業構造からして軍隊は不可欠であり、軍隊を包括する外交が常に問題として付き纏う為に強力な統率者が必要であったことだ。


「アレらは今期で随分美味しい思いをしたからどうであれ議席は伸びる。今は放っておいても良かろう。過度にバーラト・エリートに媚びても碌なことにならんが情勢次第で外交方針を考えねばならぬ。だから貴様の意見が欲しい」

 ヴァンフリートにおいて常に付き纏うのが【食糧】の問題である。死を偽装して逃亡しヴァンフリートに逃げ込んだ自派閥の部隊数千隻を糾合し臨時政府を立ち上げたナイナーニェン元帥は食糧自給率が著しく低いヴァンフリートからの脱出を願い、まず最初に農業に特化したティアマト地域を制圧しようとした。
 これに怒り狂ったのがパランティア企業理事会とエルファシル自治評議会である。航路の要衝であるアスターテにパランティア企業連合はエルファシル自治評議会と連名で【通商航行の自由を確保する為の警察行為】を宣言。ケレブラント連合を中心とした艦隊を派遣。
 交易封鎖による物資の窮乏と工作部隊の支援を得たアスカリの蜂起によりナイナーニェン一派は壊滅したのである。
 つまるところ彼らは食料の調達と外交に失敗し、滅びたのだ。
 勿論、現在は状況が違うが経済は少なからずは国防委員会との委託に依存し、更に文字通り経世済民にお
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