第四百四十三話 恐怖の克服その十二
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「戦ってもらいましょう」
「わかりました」
「長い戦いになるから」
霧子も柳に言ってきた。
「手当てもね」
「していくことですね」
「そして疲れたら寝る為にも」
「寝袋も用意していますね」
「今は外だけれど」
場所は山だ、いつも訓練に使っている山にロイミュードの大群が出て来てそれで戦いになっているのだ。
「それでもね」
「寝ないと駄目ですか」
「寝ないとね」
実際にというのだ。
「やっぱり疲れが取れないから」
「だからですか」
「用意しているのよ」
「じゃあ疲れた人は」
「寝てね」
そしてというのだ。
「疲れを癒してね」
「そうしてですね」
「また戦うのよ」
「食べることに手当てもして」
「寝ることもね」
「あと飲むことも忘れるなよ」
追田はスポーツドリングの傍にいた、段ボールから二リットルのそれを次から次に出して並べている。
「こっちも」
「水分補給もですね」
「大事だからな」
「だからですね」
「俺達もな」
追田は柳にも話した。
「何かあったらな」
「飲むんですね」
「ああ、そうしてな」
「戦っていくんですね」
「そうしていこうな、少なくとも一日はかかるさ」
この戦いはというのだ。
「だから腰を据えていこうな」
「わかりました」
柳も納得した顔で頷いた。
「戦っていきます」
「そういうことでな、それとな」
「それと?」
「無理はするなよ」
決してというのだ。
「ちゃんと食べて飲んで寝てな」
「私達もですか」
「俺達だって戦っているからな」
「戦場に立たなくても」
「戦争は戦場でやるだけじゃないんだよ」
追田は柳に強い顔と声で話した。
「そこはな」
「そうですよね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「俺達も戦っているってな」
「このことはですね」
「よく覚えておいてな」
「戦うことですね」
「そうしていこうな、戦いは戦場でだけじゃないんだ」
自分達が今いる後方での仕事も戦っていることになる、こう言ってそうしてだった。彼等も戦っていた。
戦いは半日過ぎても続きそしてだった。
真夜中になっても続いていた、それでだった。
戦士達は交代で休み食事も睡眠も摂っていた、そこで。
紅麗は起きた烈火に告げた。
「戦えるな」
「ああ、ぐっすり寝たからな」
「そうか、では次は私がだ」
「寝るんだな」
「そうさせてもらう」
こう言うのだった。
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