第四百四十三話 恐怖の克服その八
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「有り難いことに」
「それは何よりですね」
「心から思っています」
「というか若し三人目が出来たら」
ハートはその場合についてかなり前向きに考えて述べた。
「紅麗君から見て四人目か」
「ああ、そうなるな」
花菱もハートのその言葉に頷いた。
「考えてみたら」
「そうなりますね」
「血はつながってなくてもな」
「そうですね」
「まああいつ等はどう言うかわからないけれどな」
「あいつ等といいますと」
「烈火とな」
花菱はハートに笑って答えた。
「それとな」
「ああ、紅麗君もですね」
「そうさ、二人がどう言うか」
「俺は別に何もな」
「私もです」
烈火だけでなく紅麗も言ってきた。
「別に花菱殿にお子が生まれても」
「いいぜ、っていうか俺の弟か妹が出来るんならな」
烈火は笑ってこうも言った。
「こんないいことはないぜ」
「そう言ってくれるか」
「ああ、本当にな」
心から笑って言った。
「是非三人目も頼むぜ」
「それじゃあな」
「これからも頑張るわ」
花菱だけでなく陽炎も応えた、そして。
戦士達は訓練が終わるとじっくりと休んだ、風呂にも入り食事も摂った。紅麗は今は日本酒を飲み刺身を食べていたが。
その刺身を見てこんなことを言った。
「この時代は何処でも生の魚が食べられる」
「戦国時代では違っていたのよね」
「はい、海から少し離れますと」
霧子に対して答えた。
「もうそれで、です」
「食べなかったわね」
「寿司もです」
これもというのだ。
「なかったです」
「あれっ、寿司なかったのかよ」
「お寿司は江戸時代からだよ」
泊が烈火に答えた。
「その時から出て来たんだよ」
「そうだったんですか」
「だからね」
「戦国時代はですか」
「今みたいな握り寿司はなくて」
それでというのだ。
「馴れ寿司だったんだよ」
「何ですか、それ」
「それはね」
陽炎が息子に話した。
「お魚の中にご飯を入れてずっとお酢に漬けたものよ」
「それが馴れ寿司か」
「そうだったのよ」
「こちらは食べたことがあるが」
紅麗がまた話した。
「握り寿司や巻き寿司はな」
「戦国時代にはなくてか」
「食べていなかった」
「そうだったんだな」
「この世界で知ってた」
「食ってたんだな」
「そうだった」
紅麗は烈火に話した。
「そして今度母上を銀座の寿司屋にお連れする」
「ああ、行って来いよ」
「そこで自分もとは言わないか」
「行って欲しいのかよ」
「言えばお前もとなっていたかもな」
紅麗はこの言葉は微笑んで話した。
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