第四百四十三話 恐怖の克服その七
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「これといって」
「一緒に戦うにあたってもな」
「最初は全然駄目だったけれどね」
「ああ、自分だけで戦っていてな」
「もう出来る様になるか不安だったけれど」
それがというのだ。
「徐々にね」
「出来て来たからな」
「そんなに我儘じゃないんだね」
「普通に教育を受けたらな」
「それに頭もね」
「別に悪くねえな」
「そうだね、紅麗と同じ位だね」
そのレベルでというのだ。
「煉蓮の頭は」
「そんなところだな、紅麗さんは頭も切れるからな」
「負けていないね」
「ああ、だから俺達と一緒に戦うことも身に着けていっていてな」
「強くなっているね」
「その面からもね」
「そうだな」
「というか森の育て方が相当悪かったわね」
陽炎はこう指摘した。
「躾も何もしないで」
「赤ん坊のままですな」
空海も言ってきた。
「ほったらかしにして」
「もう道具としてしか見ていなかったから」
「あの様になっていた」
「そうだったと思うわ」
「森らしいですね」
最澄は陽炎の言葉を聞いてその整った顔を曇らせた。
「まさに」
「ええ、私もそう思うわ」
「そうですね」
「森だからこそ」
まさにというのだ。
「そうしたことをしたのよ」
「彼女をまともに育てなかった」
「人としてね」
「そうしたことはちゃんとしねえと駄目だろ」
花菱はこのことは強い声で言った。
「だから俺はな」
「これからはだな」
「あの娘をちゃんと育てるからな」
そうするというのだ。
「本当にな」
「そうしますね」
「ああ」
実際にというのだ。
「これからもな」
「烈火にそうしてきた様にですね」
空海は花菱に微笑んで話した。
「そうされますね」
「ああ、絶対にな」
「そうされますか」
「絶対に見捨てないからな、というかな」
「というかといいますと」
「烈火はあの娘よりずっと馬鹿なんだぞ」
花菱は笑って烈火のその話をした。
「それでこれまで育ててきたからな」
「だからですか」
「何でもないさ」
「そうですか」
「ああ、あの娘はちゃんと人間として生きていくさ」
自分が育ててというのだ。
「今は親が二人いるしな」
「そう言えばお二人結婚していましたね」
泊もこのことを言った。
「そうでしたね」
「ああ、籍も入れたさ」
「今では同居しています」
陽炎も微笑んで話した。
「三人目も出来るかも知れないです」
「烈火君、煉蓮ちゃんに続いて」
「そうなるかも知れないです」
陽炎は泊に微笑んだまま話した。
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