第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(1)
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! 今日もブラッディ・バンブレは、黒々、赤々と怪しく輝いておるわい! シゴシゴシゴッ!」
ガゼルマンの鮮血で染まったブラッディ・バンブレを眺めながら、グレート・ザ・屍豪鬼は高らかと笑い上げた。
ガゼルマンが倒され、圧倒的な強さと非情すぎる残忍さを目の当たりにした人々は、半狂乱になりながら再び逃げまどう。
「だ、だめだ! つ、強い! 強すぎる! ベストメンバー不在の新世代超人じゃあ、全く歯がたたないぃ!」
「お、終わりだぁ! 地球が乗っ取られる! 悪行超人に乗っ取られる! 平和が乗っ取られるぅ!」
「いやぁ! 悪行超人がはびこる世の中なんて、そんなのいやぁ! 悪行超人の時代の幕開けだなんて、いやあぁぁぁッ!!」
蜘蛛の子を散らしたように、縦横無尽に逃げ駆ける人々。そんな人ごみの中で、唯一、リングに向かって走る者がいた。
ローブで全身を覆い隠している、小柄な姿。リングの目の前にまで来ると、くやしそうに呟いた。
「お、遅かったですぅ……間に合わなかったのですぅ……」
その声は、あどけなさが抜けきらない、可愛らしい少女の声であった。
「……こういう日が訪れてしまう前にぃ……見つけ出しておきたかったのにぃ……結局、見つからなかったですぅ……探し出せなかったですぅ……」
ローブ姿の少女は絶望した様子で、へたりとその場に膝をついた。
「……申し訳ございませんですぅ、ミート様ぁ……」
うなだれるローブ姿の少女。その横を、逃げまどう人々が走り抜けていく。
「あああ、あの……だだだ、大丈夫……ですか?」
不意に聞こえた声に、ローブの少女は顔を上げる。すると目の前に、小さな手が差し伸べられていた。
手を差し伸べたのは、気弱そうな少女であった。いまどき珍しい瓶底メガネ、ボサボサな髪を無造作に結ったツインテール、一瞬小学生かと思ってしまうほどに小柄な見た目。そして幼い見た目を強調するかのような、アニメ調にデフォルメされた超人の絵が描かれている、幼児向けの服を着ている。更に少女の仕草やしゃべり方からは、いかにも気の小さい、引っ込み思案な性格であるということが、いやがおうにも伝わってくる。
「あ、ありがとう、ですぅ」
人々が逃げまどう中、唯一、このボサメガネな少女だけが立ち止ってくれた。それがローブの少女には、とても嬉しかった。
目に溜まった涙を拭いながら、ローブの少女は差し伸べられたボサメガネ少女の手を、しっかと掴んだ。
“キピュアアアァァァッ”
その時である。ローブの少女の胸元から光が溢れだした。
「え? えええッ?! ま、まさか! こ、これわぁ!」
興奮した様子のローブの少女は突然に立ち上がり、胸に手を突っ込む。そして、ごそごそと何かを
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