第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(1)
[3/23]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
マンは茶色の閃光となって、グレート・ザ・屍豪鬼に飛びかかった。
「アントラーフィスト!」
“ガシュッ!”
グレート・ザ・屍豪鬼の胸が裂かれ、大きな爪の跡が刻まれた。
ガゼルマンの手甲には、2本の爪が装着されている。
「どうだい、ガゼルの爪撃、アントラーフィストの味は?」
グレート・ザ・屍豪鬼は口角で笑った。
「シゴシゴシゴッ! ガゼルの爪撃? アントラーフィスト? 鹿の子よ、儂はてっきり、孫の手で掻かれたのかと思ったわい」
切り裂かれたはずのグレート・ザ・屍豪鬼の胸には、アントラーフィストの傷跡が消えていた。
「な、なんだと?! 馬鹿な!」
ガゼルマンは我が目を疑った。目を見開いて、グレート・ザ・屍豪鬼の分厚い胸板を凝視する。
「確かに手応えはあった! 確かに胸を切り裂いた! なのになぜ、傷が無いんだ!?」
グレート・ザ・屍豪鬼は胸をボリボリと掻きながら、ガゼルマンに歪んだ笑みを見せる。
「シゴシゴシゴッ! そう言えば、自己紹介がまだだったなぁ。この儂、グレート・ザ・屍豪鬼という超人はなぁ、d.M.pのメイキング超人だったのよ! シゴシゴシゴッ!」
「d.M.pのメイキング超人? な、なんだそれは?!」
ガゼルマンは困惑した顔をグレート・ザ・屍豪鬼に向ける。
「悪行超人製造工場であるd.M.pは、いわば悪行超人の育成所。貴様ら正義超人で言うところのヘラクレス・ファクトリーじゃい。ヘラクレス・ファクトリーでは、伝説超人達が新世代超人の育成を行っていたなあ。同じくd.M.pにも、悪行超人の育成を担う超人が存在する。それがメイキング超人よ!」
「つまり、d.M.pのコーチ役、トレーナーってわけか」
「シゴシゴシゴッ! いいか若造! 教える者、育てる者ってのはなぁ、そいつ自身も一流の超人なんじゃい! 経験豊富、知識豊富、修得技術豊富、あらゆるものが豊富な超一流超人様なんじゃあ!」
グレート・ザ・屍豪鬼は勢いをつけて右腕を振り上げる。
「ブラッディ・バンブレ!」
グレート・ザ・屍豪鬼の腕が、赤黒い竹刀に変化する。
「しごき桜・乱れ咲きの刑!」
グレート・ザ・屍豪鬼は、赤黒い竹刀をガゼルマン目がけて振り下ろす。
「ぐぅッ! ぎゃああぁぁあああッ!!」
悲痛な叫びとともに、ガゼルマンの全身から血飛沫が飛び、辺りに撒き散らしていく。リング上の白いキャンバスには、鮮血の血桜が乱れ咲く。
ガゼルマンの黒目は、ぐりぃと上に向かい、白目を剥いてしまう。そして膝が、がっくりと折れ、ガゼルマンは力なくリングに沈んだ。
「シゴシゴシゴッ! 我が竹刀が赤黒いのは、しごきにしごきぬいた若造達の血が染み込んでいるからよ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ