第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(1)
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とキン肉マンルージュ。ミーノは泣きじゃくっているキン肉マンルージュの肩を優しく掴み、慰めるような口調で話した。
「……まさかあのような事態に……キン肉マンルージュ様……物凄くショックを受けておられるのですぅ……あの大事な場面での尿失禁……男性ならまだしも、年頃の乙女が尿失禁……これは事故ですぅ……とてつもなく恥ずかしい大事故でございますぅ……ああ、キン肉マンルージュ様……なんて不憫で、なんて可哀相で、なんて気の毒で、なんて痛ましくて……心中お察しいたしますですぅ」
キン肉マンルージュの泣き声が、10倍激しいものへと変わった。それを見てミーノは、自分の言葉がむしろキン肉マンルージュを傷つけていることに気がついた。
「ひゃわわわわッ、そ、そんなつもりは毛頭ございませんのですぅ! 決して悪意があって申したわけではないのですぅ! ただ、羞恥の極みとも言える大痴態をさらしてしまわれたキン肉マンルージュ様が、乙女の大事な何かを一瞬にして失ってしまったようにお見受けしましたので」
キン肉マンルージュの泣き声が、100倍激しいものへと変わった。それを見てミーノは、キン肉マンルージュを更に追い詰めてしまったことに気がついた。
「にゃわわわわッ、でも、でも、でもですね、大丈夫ですぅ! この場にいたのは私とグレート・ザ・屍豪鬼、2人だけなのですぅ」
ミーノがそう言った瞬間、背後から怒涛のごとき大歓声が上がった。
“うおおおおおおお!”
ミーノは恐る恐る、顔を後ろに向けた。すると、いつの間にやらリングサイドには、大人数が観戦可能な観客席ができていた。
席はひとつ残らず埋まりきり、ミーノとキン肉マンルージュを、大観衆が囲んでいる。
“女の子超人のバトルなんて、初めて見るぜえ! 超レアバトルで超ラッキー!”
“少女超人たん、はぁ、はぁ”
“頼むぜキン肉マンルージュ! 地球の運命は、ルージュちゃんに掛かってるぜえ! 宇宙の平和は、あんた次第だぜえ!”
観客は沸きに沸いていて、各々、想い想いの歓声を上げている。
ミーノとキン肉マンルージュは目を点にして、突如現れた大観衆を呆然と見つめる。
そんな呆けている2人の目の前に、あからさまにカツラを装着している、しかもそのカツラが見事なまでにズレている、メガネを掛けた小柄な中年が現れた。そしてよく通る大きな声で、2人に言った。
「こりゃあ女房を質に入れてでも見なあかんなぁ! だから、2人のカワイ娘ちゃんに免じて、おもらしの件は水に流してあげまんでぇ! おしっこなだけになぁ!」
キン肉マンルージュの泣き声が、1000倍激しいものへと変わった。カツラメガネ中年男性の言葉が、キン肉マンルージュにとどめを刺した。
「うわあああぁぁぁあああぁぁぁ
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