第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(1)
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固まっていたグレート・ザ・屍豪鬼とミーノはハッとする。
そしてグレート・ザ・屍豪鬼は、慌てて顔を拭う。
「お、おもらし、じゃとお! じゃ、じゃあ、たった今、儂の顔に降ってきたのは……貴様の小便かあ!」
キン肉マンルージュの放った小水は、見事なまでにグレート・ザ・屍豪鬼の顔に被弾していた。
「うっげげい! ぐげげげげい! く、くそお! 少し口に入っちまったぞえ! 目にも入ったぞい! な、何してくれとんじゃあ! こんのキン肉マン小娘めえ!」
グレート・ザ・屍豪鬼は必死になって、顔面をガシガシと擦っている。
「ああ……この大事な場面での尿失禁……さすがはキン肉スグル大王様の能力が詰まったマッスルジュエル……ですぅ」
ミーノは顔をひきつらせながら、気の毒そうにキン肉マンルージュを見つめた。
「い、いやあああぁぁぁあああぁぁぁんッ!!」
キン肉マンルージュは羞恥の声を響かせながら、その場から飛び上がった。そして、まるで先程のリングインを逆再生したかのように、見事な一回転捻りを披露する。羞恥の叫びにドップラー効果を効かせながら、キン肉マンルージュは、見事にリングアウトした。
「う、うわぁぁぁあああぁぁぁん!」
キン肉マンルージュは泣きじゃくりながら、ミーノに駆け寄った。
「こここ、こんなとこまで受け継がなくてもいいじゃない!」
そしてキン肉マンルージュは、ぶんぶんと顔を振りまくり、涙をミーノに飛び散らせながら訴える。
「恥ずかしい! 恥ずかしいよぉ! 超恥ずかしいよぉ! これは、とても、とてぇも! 恥ずかしいことだぁーん!」
ミーノは肩をすくめ、申し訳なさそうに言う。
「すみませんですぅ。マッスルジュエルは完璧に力を受け継がせるのですぅ。ですので、大事な場面での突発性尿失禁というキン肉スグル大王様の性癖も、余すことなく受け継いでいるのですぅ」
キン肉マンルージュは顔を真っ赤にして、ミーノに訴えかける。
「にょ、尿失禁とか言わないでよぉ! いかにも排泄に失敗しましたって感じじゃない! と、とにかく! わたし! どおしたらいいのよぉ!」
キン肉マンルージュの言葉を聞いて、ミーノはハッとする。そして、いまだに顔を擦り続けているグレート・ザ・屍豪鬼に、ミーノは言った。
「ここは一度、この場をはけて、選手入場からやり直すべきですぅ!」
グレート・ザ・屍豪鬼は恨みがましい顔をミーノに向けた。
「小便まみれでバトルなんぞ、こっちから願い下げじゃい! 30分後にリングインじゃあ! 逃げるんじゃないぞ、小便小娘!」
グレート・ザ・屍豪鬼は吐き捨てるように言うと、上空に向かって飛び上がり、そして姿を消した。
その場に残されたミーノ
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