第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(1)
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真顔を、キン肉マンルージュに向けた。
「こ、これは……間違いなく、あなたはマッスルジュエルの持つ能力を、きちんと受け継いでいますですぅ」
キン肉マンルージュは生唾をごくりと飲み下しながら、ミーノに負けないくらいの真顔で、ミーノを見つめた。
「そうです、あなたが受け継いだのは、あの伝説中の伝説! 生きるキングオブ伝説超人! 第58代目キン肉星大王、キン肉スグル様。つまり、キン肉マン様ですぅ!」
キン肉マンルージュは、がばぁと身体を起こし、再び鉄柱の上に飛び乗った。
「すごい! すごぉい! すんごぉぉおおい! わたし今、キン肉マンなんだ! 憧れ中の憧れ、あのキン肉マンなんだ! ああ、生まれてこのかた16年! 遂に! 遂にぃ! この日がきちゃったんだぁ! 想いに想い焦がれ続けたキン肉マンに、わたしはなれちゃったんだ!」
キン肉マンルージュは鉄柱の上で片足立ちのまま、両手を天に向けて渾身のガッツポーズをする。
「やった! やったぁ! ぃやったぁぁああ! うれし! うれしぃ! うんれしぃぃいい!」
天に向かって、キン肉マンルージュの想いが詰まった声が放たれた。
そして、キン肉マンルージュはグレート・ザ・屍豪鬼を指さし、びしぃと決めポーズをとった。
「へのつっぱりはご遠慮願いマッスル!」
決め台詞を言い放つのと同じタイミングで、キン肉マンルージュはツルリと足を滑らせた。
“ずどぉぉぉん”
そして再び、全身を地面に叩きつける。
――しばしの沈黙。そしてキン肉マンルージュは、くぐもった声を漏らす。
「……えーと、ミーノちゃん、だったよね……」
地面に顔をめり込ませながら、キン肉マンルージュはミーノを呼んだ。
「は、はいですぅ! 申し遅れましたですぅ! わたくしめはアレキサンドリア・ミートの義妹であり、キン肉星王家お抱えの使用人、ミーノにございますぅ!」
ミーノは甲高い声を響かせながら、早口で自己紹介を済ませた。
「……あのぉ、ちょっとつかぬことをお聞きしたいのだけどぉ……」
ミーノは倒れているキン肉マンルージュの横で、びしっと正座をする。
「はい! なんでございますですぅ!?」
「……も、もしかしてわたし、今……キン肉マンなみにドジになってる?」
ミーノは背筋を伸ばし、美しい姿勢をキープしたまま、キン肉マンルージュを真っ直ぐに見下ろしている。
「はい! あなた様はキン肉スグル様の能力を受け継いでいますですぅ。ですので、当然ながら、キン肉スグル様のドジっぷりも、完璧に受け継いでいらっしゃいますですぅ!」
くぐもる声を発するキン肉マンルージュは、両肩をわなわなと震わせながら、地面から顔を引き抜いた。
「
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