第二章
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すぐに両手の掌の上に置いて近所の獣医、先程まで住んでいたアパートの近くにあったので場所を知っていた獣医のところに駆け込んだ、そして獣医に診てもらうと。
「頬を貫かれていますが舌は大丈夫で頭も怪我をしていますが」
「それでもですか」
「傷は深くないです、ですが尻尾と左の後ろ足の傷が酷くて」
それでとだ、獣医は鞠子に話した。
「尻尾は途中から、左の後ろ足はもう完全にです」
「切らないとですか」
「駄目です」
「そうですか」
「はい、結構危ないですね」
「そうなんですね」
ここで鞠子は自分が今仕事も家もないことを話した、だがここで沙央梨が出すと言ったが。
「私が拾ったから」
「いいの?」
「ええ、それは」
「お支払いは後でいいです、また診察料とかはサービスしますから」
ここで獣医が微笑んで言ってきた。
「まずはこの子のことを任せて下さい」
「そうしていいですか」
「はい、そうさせて下さい」
「それじゃあ」
鞠子は獣医の助け舟に正直ほっとした、そうしてだった。
すぐにネットカフェに行ってそこで沙央梨と別れてだった。
仕事、日雇いのそれを探した。そしてその日のうちに清掃のそれに就いて働いた。仕事は次の日もと言われ。
また働いた、三日程そこで働きネットカフェで休む日々だったが。
ある夜獣医から携帯に連絡が来た、その連絡は。
「猫ちゃんが高熱を出しまして」
「えっ、まさか」
「今夜を凌げば大丈夫でしょうが」
それでもというのだ。
「危険な状況です」
「あの、すぐにそこに行きます」
こう言ってだった、鞠子は。
すぐに病院に行った、猫には会えなかったが。
その日はずっと病院にいて猫の無事を祈った、そして。
朝になると獣医にこう言われた。
「猫ちゃんは頑張ってくれました」
「それじゃあ」
「はい、凌いでくれました」
「そうですか」
「もう熱は下がっているので」
それでというのだ。
「後は大丈夫です」
「そうですか」
「はい、それでなのですが」
獣医は鞠子に聞いてきた。
「猫ちゃんが退院されたらどうされますか?」
「それまでに何かアパートを見付けて」
「そうしてですか」
「引き取ります」
「何でしたらペット可のアパートを紹介しますよ」
獣医は鞠子に微笑んで話した。
「知人に不動産屋さんがいまして」
「いいんですか?」
「はい、貴女さえよかったら」
「それじゃあ」
鞠子は獣医にお願いしますと言った、こうして部屋を紹介してもらうことが決まりそのうえでだった。
日雇いの契約の清掃の仕事、わりかし収入のいいそれに行くと社長にこう言われた。
「君頑張ってるね、よかったら日雇いじゃなくて長期のアルバイトでね」
「いいんですか?」
「
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