始まりから夏休みまで
葛城舞は優しすぎる話
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れた包帯を気にされる。
バイト中に怪我したとは言ったが、別に怪我なんかしちゃいない。
「労基に訴えるのも手だぜ?」
「それはやめとく。」
あるものを隠すためだ。
?
「で、話って?」
僕の高校の屋上は基本自由に使っていいため、いつも解放されている。
幸い屋上には誰もおらず、暮馬くんも一安心してた。
さて、僕にしか頼めないこととは…一体なんだろう。
「でもその前に…俺、葛城に謝らないといけないんだ。」
「?」
「この前のさ…北斎みたいな子とデートしてるのがバレた時…あったろ?」
「あ、うん。」
覚えてる。
誰に撮られたのかは知らないけど、それがバレて調子に乗ってるって言われて虐められたんだ。
「あれ…俺なんだ。」
「え…?」
「あの動画を撮って、桐生に売ろうとしたんだ。」
そう言い、彼は地面に座り込むと
「ごめん…本当にごめん!!」
彼は土下座した。
「く、暮馬くん!?」
「許してもらえないことは分かってる!!俺は…自分が虐められたくないから葛城を売ったんだ!!人として…最低なことをしたんだ!!」
地面に頭をこすりつけながら、彼はそう言って何度も何度も僕に謝罪する。
許してもらえないことは分かってる?
いや、分かってないのは君だ。
「暮馬くん。顔上げてよ。」
「…。」
ゆっくりと顔を上げる彼。
「うん、許すよ。」
「え…?」
「許す。いじめられたくないなら…しょうがない。きっと僕が君と同じ立場ならそうしてた。」
そう言い、手を引っ張って彼を起こす。
「ホントに…いいのかよ…。」
「うん。」
「優しすぎんだろ…葛城…もうちょっと怒れよ!!俺はひどいことをしたんだぞ!!」
逆に僕、怒られてる?
「ううん。もういいんだ。過ぎたことは気にしないから。」
「…。」
呆れたようなホッとしたような、
そんな表情を浮かべる暮馬くん。
「そっか…謝りたかったから…最近話しかけようとしてたんだね。」
「あ、それは…。」
休み時間、あれから彼は何度か僕の教室に来るようになった。
タクヤくんに脅され、いつも渋々帰って行ったがその真意はただ僕に謝りたかっただけなんだ。
「その…それだけじゃなくてさ…。」
「?」
「謝りたいってのもあった…それと…。」
「それと?」
「友達になりたいなって言うのも…あって…。」
一応彼には、桐生とその取り巻きという友達はいた。
しかしそれは名ばかり、後で聞いてみれば友達料金として毎月お金を払わされ、さらに僕とお栄ちゃんか喫茶店でお茶してる動画は取り巻きに取られ手柄は全て横取りされてしまったとのこと、
いわば、パシリだった。
「はは…生意
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