第六十七話 ヒューロ−湖畔の戦い・後編
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ズ」
そう言ってカトレアはグリーズの首を撫でた。
巨馬グリーズは、ハルケギニアの遥か東のサハラ周辺で生息する品種で、昼夜気温の上下が激しい土地でも生きて行けるほど丈夫な身体を持っていて、身体も大きく足も早かった。
ハルケギニアでは一切出回ったことの無い珍しい品種で、一部の者からサハラ種とかサハラ馬などと呼ばれていた。
「王太子妃殿下。番ですのでお越し下さい」
少し離れた原っぱの辺りで、担任のコルベールがカトレアを呼んでいた。
「あ、呼んでるわ。ミシェルまた後でね」
「はい、カトレア様はどの様な使い魔を召喚されるのか、とても楽しみです」
「良い子だといいわ」
カトレアは木陰を離れコルベールの所へ向かった。
原っぱでは、同級生達がサモン・サーヴァントを唱えて使い魔を召喚していた。
「こちらでございます。王太子妃殿下」
「ミスタ・コルベール。お待たせしてごめんなさい」
「カトレア様頑張って!」
「ありがとう、頑張るわ」
声を掛ける同級生に、カトレアはニッコリ笑って応えると、マントの裏に隠した杖を取り出した。
カトレアの杖は、一メイルほどの長さの銀製の杖で、見事な装飾が彩られていた。
養父のエドゥアール王が、入学祝いに下賜した特別製の杖だ。
「我が名は『カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』。五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし使い魔を召還せよ!」
流麗な声色で、カトレアがサモン・サーヴァントを唱え終えると、目の前に光り輝くゲートが現れた。
「さあ、出てきて。わたしの、わたしだけの使い魔……」
カトレアが言葉に呼応するように、ゲートが目も開けられないほど光り輝くと、小さな電撃を放ちながら雷色の羽毛の雛鳥が現れた。
『ピィピィ』
「まあ可愛い」
カトレアは雛鳥を手に乗せた。
生まれたばかりなのか、雛鳥の目は開いていなかった。
「カトレア様、お怪我はございませんか?」
「無事、使い魔を召喚されたようですね」
「変わった鳥ですね。カトレア様」
ミシェルの他に、ワルドとジョルジュもやって来た。
「王太子妃殿下。最後にコントラクト・サーヴァントを」
「分かりましたわ、ミスタ・コルベール」
カトレアはコントラクト・サーヴァントのスペルを唱え、手の平の上の雛鳥にキスをした。
コントラクト・サーヴァントの影響で雛鳥が苦しみだす。
『ピィー! ピィー!』
「ごめんね、少しの間我慢してね?」
カトレアは苦しがる雛鳥の頭を指先で撫でた。
十秒ほど経つと使い魔のルーンは雛鳥の背中に刻まれた。
「ルーンも現れました。使い魔召喚は
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