第六十七話 ヒューロ−湖畔の戦い・後編
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……はずだった。
「なんだと……! 生きてる!?」
プルプルと震えるサンダーバードの死骸にマクシミリアンは戦慄を覚えた。
マクシミリアンは懐から『FN ブローニングハイパワー』を再び取り出すと、軽く振って水気を切った。
固定化を掛けてある為、水を被っていても、水さえ落とせば撃てる。
水気を切り終えたハイパワー拳銃をサンダーバードに向けると、どういう訳かサンダーバードの死骸の皮のすぐ裏に盛り上がりを見せていた。
「中に何か居るのか?」
状況が読めないマクシミリアン。
その間もモゾモゾとサンダーバードの身体の中を『何か』蠢き、マクシミリアンは手を出せないでいた。
五分ほど経っただろうか。まるで卵から孵化する様に、サンダーバードの身体を突き破って、『何か』が飛び出してきた。
「これは……」
飛び出してきた『何か』は、手の平サイズの小さな雛鳥だった。
雛鳥はサンダーバードの死骸を突き破ると、ポトリと氷の地面に落ち、辺りを見渡すそぶりを見せた。
……と言っても、まだ目は開いてない様だった。
『ピィピィ』
と鳴く雛鳥。
「訳が分からん。転生でもしたって言うのか?」
成鳥から雛鳥に孵ったサンダーバードに混乱するマクシミリアン。
雛とはいえ、サンダーバードから生まれた雛だ、警戒するに越したことは無い。
「だが、雛とは言え、元は強力な怪鳥だ。戦列艦の仇を討たせて貰う」
雛鳥にハイパワー拳銃の銃口を向けた
トリガーに掛けた指に力を入れると、突如マクシミリアンと雛鳥との間に光る鏡が現れた。
「なに!?」
目の前の光る鏡には見覚えがあった。
「サモン・サーヴァントのゲート! 誰かが召喚を!?」
ゲートが消えると、雛鳥も消えていた。
「……召喚されたのか?」
再び湖畔に静寂が戻った。
その後、ウォーター・ビットから通信が届いた。
コマンド隊が原住民と協力して、敵の黒幕に近づいているという内容だった。
マクシミリアンはウルグに後を任せると、エア・ジェットでコマンド隊の救援に向かった。
☆ ☆ ☆
トリステイン王国のトリステイン魔法学院では、二年の進級試験として使い魔の召喚試験が行われていた。
「次はカトレア様の番ですよ」
友人のミシェルが、芦毛の巨馬を携え、木陰に座って自分の番を待つ王太子妃カトレアに言った。
「その子がミシェルの使い魔?」
「はい、ハルケギニアでは在り得ないほどの巨馬です。名前は『グリーズ』です」
「そう、よろしくねグリー
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