第六十七話 ヒューロ−湖畔の戦い・後編
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優秀なら出世できる。何より少しでも人材が欲しいからね。このチャンスを無駄にしないで欲しい」
「御意にございます。必ずや殿下のご期待に沿って見せましょう」
ジョージ、ジョン、トマスの三人は膝を付いてマクシミリアンに頭を垂れた。
彼ら四人は、平民でありながら大出世する事になるが、それは本編と関係ない。
……
時間が経ち、マクシミリアンの普段通りに視力は完全に回復した。
視力が戻った時、始めてその目に映ったのはモンマロー号の轟沈の瞬間だった。
「……! なんてこった!」
マクシミリアンは顔をしかめ、ギリリと奥歯を噛んだ。
「ああ、フネが!」
「逃げろ、破片が降ってくるぞ!」
ジョージ達が慌てて木の陰に隠れた。
モンマロー号の破片がボロボロと湖面に落ち水柱を上げる。
破片の中には、黒焦げになった人の形をした物も混ざっていた。
「……なんてこった。キミ達は戦闘が終わるまで隠れていてくれ!」
「殿下はどうされるのですか?」
「決まっている。戦うんだ!」
「あっ、殿下!」
マクシミリアンは、木陰から湖畔まで走って移動すると、魔法を唱える為に杖を取り出した。
「イル・ウィンデ……ん?」
詠唱を始めると、ウォーター・ビットの一基が地面に何やら文字を書き始めた。何者かがウォーター・ボールで通信を送ってきたのだ。
内容は、掻い摘んで説明すると、サンダーバードと倒す手伝いをする、というのだ。
「……なるほど、ウォーター・ビット。承諾すると返信してくれ」
通信を粗方読み終わると、ウォーター・ビットに返信を命じた。
「さっきの通信は、あくまで保険。オレが倒しても問題ないな」
と、独り言を言うと、再び詠唱を始める。
16歳になったマクシミリアンの魔法は、風の属性がスクウェアクラスまで成長し、土の属性もトライアングルクラスまで成長した。だが火の属性は相変わらず使えなかった。
『エア・ストーム!』
マクシミリアンの唱えた『エア・ストーム』で、湖畔周辺に暴風が吹き、湖の水を巻き上げた。
湖の中に設置された探知機雷も、『エア・ストーム』の竜巻で巻き上げられ、巨大な竜巻は上昇中のサンダーバードへ迫った。
『!?』
突如発生した竜巻に驚いたサンダーバードは、素早く翼を羽ばたかせると回避行動を取った。
二隻の戦列艦はその隙を付いて撤退に成功した。
「よし、戦列艦は退避したな……今度はオレが相手だ!!」
護衛用に残したウォーター・ビットが、回避行動を取るサンダーバードに一斉射を加える。
サンダーバードは、三つのウォーター・ショットを辛うじて回避したが、体勢を崩し失速してしまい、後
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